グレー攻撃
仕事でも、人間関係でも、世界の事件でも、当たり前だが、自分の期待する展開がある。この件はこうなると嬉しいなあと思うことがある。しかし世の中そんな思いどおりになることばかりではない。確率的に半分くらいは想定外に展開する。分かっちゃいるがそうなると気分が晴れない。平均すると年に十回くらいはこのグレー攻撃にやられる。つまり月に一回弱起こる。しかし、今日はそのできごとが三つ一遍に身に降りかかった。なんとも痛ましい。口頭、電話、メール。ものの一時間の間に見事に集中して起こった。神を恨む。まあ一日一つずつ発生するより気分は楽かもしれないのだが。
そういうグレーな気分で東京から8時半のアサマに乗った。するとこともあろうにこういう時に限って悪いことは重なる。大宮で線路に人が降りてどっかに消えたとアナウンスされた。この人が見つかるまで発車できないという。まあそうだろう、それは仕方あるまいと最初は思ったが、このアナウンスが五分に一回、十回は放送されただろうか?出発したのは9時40分。やけ酒でも飲んで気を晴らせればそうしたいところだが、気分の悪い時に酒を飲むとさらに気分が悪くなるのでそういう逃避行動には出ない。そういう場合はこれも一種の逃避だが、本を読んで気分を変える。『人間の測りまちがい』の続きを読む。この本は生物学的決定論を覆そうと言う試みのようであり、その手始めにダーウィン以前の人種多起源論を紹介する。19世紀の中ごろまでは白人と黒人は違う生き物(人種多起源論)という説をハーバード大学の教授が真面目に語っていたという話で始まる。いきなり目から鱗である。モンゴロイドは検討の俎上にあったかどうかは記されていないが、あったらやはりコーカソイドとは別の生物にされていたのかもしれない。おー怖い。