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皇居ジョギング

国立近代美術館までジョギングで行ってみようと思い立つ。地図で距離を測ると約4.5キロ。だらだら走れば30分くらいだろうか?「ヴィデオを待ちながら」という展覧会をやっているのでついでに見て来よう。半袖シャツじゃまだ寒いかと長そでのジャージに下はランニングタイツ。上から下までまっ黒でカラスみたいだ。四谷駅を通り過ぎ、新宿通りをまっすぐ行くと突き当りが半蔵門。そこを左折してイギリス大使館を左に見ながら、千鳥が淵を右折。1キロくらい皇居の脇を走ると美術館である。桜の香りを感じながら走ったら癒された。でも疲れた。ロバート・スミッソンの「スパイラル・ジェッティ」制作フィルムを見ていたらうとうとしてしまった。帰りは日和って地下鉄に乗ろうかと思ったが、やっぱり走った。皇居の脇の巨大石垣と見張り台のおまわりさんを見ていたらバルトの言葉を思い出した。ロラン・バルトは1974年の短い日本滞在時に『表徴の帝国』なる日本エッセイを書いた。その中で東京をロサンゼルスと比較して「いかにもこの都市は中心を持っている。だがその中心は空虚である」と語ったのである。確かにとんでもない空虚。ロンドン、ニューヨーク、パリ、ウィーン、上海、、、、世界中の主要都市の中心部にこんな巨大な市民の入れない場所は存在しない。バッキンガム宮殿は確かに入れないが皇居の大きさからみれば米粒である。(皇居=1.4k㎡、バッキンガム=0.03k㎡)もちろん巨大王宮と言えばパリのヴェルサイユ。面積は8.1 k㎡と巨大である。しかし郊外にある。ウィーンのシェーンブルンは1.2 k㎡だから皇居と同じくらいだが自由に入れる。王宮ではないが、ニューヨークにはセントラルパークがありこれは3.2 k㎡とかなり大きいがもちろんこれは市民の憩いの場。民主主義の日本の真ん中が巨大な空虚というのは良くも悪しくも東京の一番の特徴であることに間違いない。

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