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September 30, 2014

ファッションのスピード

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●シャネル26歳、未だ店を出す前の頃。可憐な美しさが漂う。
階級制の崩壊は社会をそして文化を変えた。ということは最初の市民革命が行われたイギリスにおいて建築はどう変わったのだろうか?という思いでイギリス建築史を見ても17~8世紀にかけて大きな切断は見られない。フランス革命でもルドゥーが革命前から徐々に新たな建築を考えていたけれども決定的ではない。
そこへ行くとファッションではイギリスでも、フランスでもこの時期に大きな切断があった。イギリスでは18世紀に新しい紡績機が考案され一気にファッションが大衆化した。またフランス革命は一夜にしてファッションを簡素化した(新古典主義も大きく影響していたようではあるが)。作るのに時間のかかる建築よりもファッションのほうが時代を直接的に反映しやすいようだ。20世紀に入ってシャネルがパリに店をだすのは1910年。そして12年に海岸沿いにブティックを開きスポーツモードを展開する。彼女は特権階級的衣服を王の座からから引きずり下ろしたのである。
シャネルはファッション界のル・コルビュジエと言えるだろうし、上述のとおりコルブより時代を反映するスピードは早かったのではないか。そしてそれゆえに戦前ほとんどのエネルギーを費やしてしまった(戦後復活するものの既に彼女の時代は終わっていた)。もしエネルギーが残っていたらコルブのようにモダニズムらしからぬ第二の人生を歩んだのだろうか?ディオールのようにもう一度女性を女性たらしめるようなデザインをしたのだろうか?

September 29, 2014

言葉と建築

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大学院の言葉と建築の授業は隔年でやっている。信大時代から通算8回目の講義なのだが、毎回新たな発見がある。今日は一回目の講義で「性格」についてなのだが、一体なんでモダニズムのヴォキャブラーとして「性格」なんて問題にしたのだろうかというのが今回の疑問である。いろいろ考えた結果、これは現象学の登場を考えることなだというのが今日の発見である。18世紀に問題とされた性格という問題はモダニズムでは殆ど等閑視された。しかし現象学が建築の現れを問題視し、それがフォルマリズム的なものの見方を瓦解して性格を復活させたというのが「性格」を20世紀に考える意味なのだということに気づかされた。毎回勉強になります。

September 28, 2014

新自由主義はなぜ無くならないのか?

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新自由主義の本は世の中に数多あるが佐藤嘉幸『フーコーから現在性の哲学へ―新自由主義と権力』人文書院2009はフーコーに棹差し分析している点で他には見られない「権力」構造から見た新自由主義があらわになる。
フーコーは1975年に『監視と処罰』において学校、病院、工場等において人々は規律を内面化させられ、そしてそれに服従する権力構造を問題視した。その後フーコーは70年代末に『生政治の誕生』で現れくる新自由主義の権力構造を批判的に予測した。
そこで明らかになるのは新自由主義の経済的側面と統治的側面である。前者においては古典的自由主義が政府の介入しない自然な市場メカニズムであるのに対し、新自由主義は競争原理が法的に仕組まれた市場メカニズムであること。また統治的側面では新自由主義権力とは個々人の内面に働きかけ「規律的権力」を内面化させるのではなく、個人々の環境のゲーム規則を通して人々に働きかける「環境介入権力」であることを示した。
つまり以前は学校などを通してやっていいこと悪いことを教えこまれ、それに従うことを強制されていたものが、新自由主義では何をやってはいけないという強制は少ないが、利益を得るルールに暗黙のうちに導かれる状況となってきたということである。
こういう権力構造の生み出す社会はは一見自由に見えて実は全く不自由な社会を生み出していると言えるだろう。つまり多様性を担保してそうに見えて実は結論は皆同じ可能性も高いのである。
一体どうしてこういう社会が捨て去られず維持されているのだろうか?世の中には数多く批判書があるにも関わらずである。デヴィッド・ハーヴェイ曰く(『ネオリベラリズムとは何か』本橋哲訳、青土社2007)経済成長を促すことができなかったのはもはや明らかであるにも関わらず、新自由主義がなくならないのには二つの理由がある。一つは局所的に(日本、アジア、西ドイツ、アメリカ、イギリス)順番に瞬間的に経済が急成長したからである。もう一つは格差が進み、権力を握る富裕層がますます富裕になっているからである。
しかしこれ以外に理由がないとするならば誠に悲しい話である。為政者は未だこのイズムに可能性を見出そうとしていうのだろうか?あるいはこのイズムに代わる何かを探せないでいるのだろうか?

八潮ワークショップホームカミングディ

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朝から読書。夕方八潮へ。八潮ワークショップも7年目。駅前公園もだいぶできてきて一区切りということで、7年間の間にこのワークショップに関わったOB OGを呼んで7年間の仕事を振り返ろうという会を行った。題して八潮ホームカミングディ。50人くらい来ただろうか。全部で7大学が関わってきたので知った顔だけではないのだが、懐かしい人たちが集まって乾杯。まちづくりには時間がかかるしこうやって続けることがきっと大事なのだと思う。高橋てい一先生が始めた上越トークインでも高橋先生がいつも言っているのは続けること。その通りだと思う。やめたらその瞬間全ては終わってしまう。ほそぼそでも続けることで何かができるのだと思う。そしてこんな経済原理とは関係ない活動が街を作るのだと思う。

September 27, 2014

建築を経済原理優先で作らない

昨日理科大の3年製図の非常勤講師による課題説明があった。そこで竹中工務店の萩原さん帽田さんペアのスタジオは銀座の一角に文化と歴史を基盤にした都市施設という課題を出してくれた。その課題の主眼が「単に容積を消化する巨大ブロックを作ってはいけない」というもので現在進行中の銀座の巨大開発を批判的に例示してくれた。そして裏通りに残る路地を見直し、歴史を再考せよという説明があった。まあそれは今時の設計事務所なら一通り考えることだろうけれど、それを実際に形にするのはとても難しい。その理由は単純である。経済原理に優先する原理が見当たらないからである。
しかし、ではあるが、そうだとしても、それにどう抗うかを示さない限り、巨大設計事務所に明日はないと僕は思っている。いやもっと言えば彼らに仕事を発注している巨大企業こそ自家撞着に陥りそうなこの問題(経済原理に優先する原理を生み出すこと)を真摯に考えない限り企業として堕していくしかないだろう。その意味で彼らが「単に経済原理に則った建築を作るのではいけない」と言ってくれたことは嬉しかった。しかし大きな事務所はそういうことをもっと明示的にアピールすべきである。彼らは金科玉条の如くエコロジーを叫び、エコロジカルな素振りをしていれば社会的正義を獲得できているかのように振舞うがそれは幻想である。しっかりと声を大にして「経済原理のみで建築は作らない」ことを明言し、経済原理のみで建築を発注してくる発注者を啓蒙すべきである。

September 26, 2014

3年生の製図オリエン

夜、理科大二部3年生後期の製図オリエンテーション。3年後期からは選択必修なので、履修者も少し減って丁度良い感じである。スタジオは全部で5つ。竹中の萩原+帽田さんたちは銀座の歴史、文化をベースとした都市施設を設計する。柳沢潤さんは公園を紡ぐ施設と題してランドスケープと建築を北の丸公園で考える。アーキテクトファイブの川村純一さんによる都市に建つ複合建築は日本らしさを考えさせるもので、場所は川村さんが丹下事務所で最初に担当された草月会館。構造家横山太郎さんは前半構造を考えた小学校、後半はその小学校の体育館。そして私は呉さんと一緒に東京のパブリックスペースを考える。場所は自分で探し、プログラムも自分で考える。ちなみに後半課題はエンリクワークショプに合流してさらにパブリックスペースを深く考える。今年の3年生は皆元気がいいので良い結果を期待しよう。

September 25, 2014

大学院後期の課題は環境建築+公共性

理科大大学院後期の製図は日建の亀井さんと日建設備設計の山下さんのお二人による環境建築+公共スペースというテーマで行う。具体的にはホーム位置が市ヶ谷に200メートルずれる飯田橋駅とその駅ビルの設計である。駅ビルといっても大学の多いこの地の立地を考え、インキュベーション施設+サービスアパートメント+ユースホステルのついたオフィス商業コンプレックスビルの設計である。延床42000㎡はこの場所の容積率を使い切るもの。またこれだけの付帯施設を付けているのはそのために必要な公共空間のあり方を考えさせるため。このスタジオは12月初旬で終了して、次の一週間はスペインの建築家エンリクが来日しワークショップを行い公共空間について考える。前期は藤原さん、小西さんによるややコンセプチュアルで構造を考える課題。後期は大規模かつ環境をベースに一年で建築の幅を学んで欲しいと考えている。やや盛り沢山ではあるけれど、いい結果を期待している。

September 24, 2014

頼みの綱はNGO?

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大澤真幸、塩原良和、橋本努、和田伸一郎『ナショナリズムとグローバリズム-越境と愛国のパラドックス』新曜社2014を読むと、グローバリズムとナショナリズムは表裏一体であるが、どちらかが強まればどちらかが弱くなるというものでもなく、昨今はグローバリズムと同時にナショナリズムが高まる状況であることを例証している。それは昨日読んだ柄谷氏の話しと同じで、現在が第一次対戦前夜と同様な帝国(主義)的状況にあり、かつ、グローバリズムが生み出した経済停滞への不満が違う形(ナショナリズム)として発露してきたということなのである。もはや官に期待できない現代社会ではNGOが世界的な公的機関に代わりグローバリゼーションへのオルターナティブを考えている。それに期待したい。ということはドメスティックに見てもグローバーりぜーション(新自由主義)を続ける限り頼れるものは第三者機関ということになる。

September 23, 2014

新自由主義は帝国主義

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新自由主義政策が失敗であったとして一体この先どうなるのだろうか?この失敗経済から抜け出られるのだろうか?服部茂幸『新自由主義の帰結-なぜ世界経済は停滞するのか』岩波新書2013はアメリカの失敗を繰り返さず、同じアメリカでもローズベルトに学べという。広井良典、柄谷行人その他『知の現在と未来』岩波書店2014では岩波創業100年シンポジウムで二つのことが議論されている、ひとつは「ポスト成長時代の知」という問題、もう一つは「資本主義と国家の未来」である。後者の問題の基調講演をした柄谷は新自由主義は19世後半から20世紀初頭における帝国主義の時代に等しく、帝国主義は戦争で集結したように、新自由主義も戦争で集結せざるを得ないという不気味な予想をしている。帝国主義は世界的なヘゲモニーをどこかの国が維持している間は起こらずその国が不安定になると生まれると柄谷は説明する。つまりはアメリカのヘゲモニーが崩れたことで新自由主義は帝国主義に突入したというのである。ということは次に安定したヘゲモニーをどこかの国が持てば帝国主義は再度自由主義に安定しそうなのだが、その前に戦争が起こるということか?

September 22, 2014

ひたすら話す

後期最初の授業が12:50からあって終わってからゼミを6時までやって6時から7時半まで大学院の授業。初日からヒーヒーだ。でもひさしぶりの授業で話すのが楽しい。なんと最初の授業ではスクリーンセイバーは映るのにパワポがどっか行ってしまう現象が起きた。後で聞いたらとあるボタンを押すとなおるらしいのだがその場では分からず仕方なくひたすら図柄なしで話た。昨日のエネルギーが持続しているようで昨日のノリで話しまくる。ああすっきりした。

前田アトリエでトーク

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午前中新しい本の第8章を煉る。昔書いた原稿がかなり関係してくるので取り出してはめ込んでみる。半分位は使えないので切り取ってそれに書き足す。博論書いていた頃の脳みその動き方が戻ってきたので予定より早くことを進められそうな気になってきた。昼に買い溜めてある成城石井のハンバーグとパンを食べて神楽坂に行き翻訳読み合わせ。終章が終わった。これで2回目の読み合わせの残りは1章のみとなった。やっとゴールが見えてきた嬉しい。これは年内に出せるな。頑張ろう。4時ころ前田アトリエを目指して移動。今日は天気がよくていいねえ。初めて行く前田バーは一体どんな場所だろうか?彼と出会いの頃を思い出して酒飲んで話すってなんかやばいよね。と思ったがそういう話はきっかけで司会の白石さんが上手なのか話は建築の本質に入り込んでなかなか充実した。東工大での教え子やら七字さんや吉田さんという昔の仲間もいらっしゃって会は盛り上がった。お呼び頂きありがとうございました。

September 20, 2014

キャピタリズム・サーファー

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資本主義とアートの関係に徹底して自覚的だったのはアンディ・ウォホールとヨゼフ・ボイスだったと椹木野衣は言っている(『反アート入門』幻冬舎2010)。彼らの登場を後押ししたのが消費社会であることを考えればその消費社会の基盤である資本主義が彼らを駆動しそれに彼らが自覚的だったのもまた然りである。
資本主義が新自由主義の後押しでさらに性格を変えながら勢力を強めて世界中を席巻する現在、ポスト消費社会は一向に現れず、相変わらずの消費社会に我々は生きている。つまりは「ウォホール」や「ボイス」の末裔は未だ健在なのである。商業主義に取り込まれてとんでもなく高値のつくアーティストが容易に思い浮かぶ。一方建築ではレムを筆頭にザハやゲーリー、はたまた安藤忠雄などもウォホール同様に華麗にキャピタリズム・サーファーとして世界を駆け抜けている。
ところで90年代の終わりにボードリヤールは「芸術の陰謀」(『芸術の陰謀』NTT出版2011)なる短いコラムを書いた。そこでボードリヤールは、芸術はもはやなんの意味もない無価値なものであることを標榜することで逆に意味がありそうに思わせ、価値を獲得するという企みを成功させたと述べている。ここでボードリヤールは固有名詞を挙げていないのだが、当時の主流のアーティストが上記ポップの末裔を含んでいることは間違いない。ということはこれを建築に当てはめることも可能かもしれない。つまりキャピタリズム・サーファーの建築はなんの意味もない無価値なものであるのだが、それを標榜することで逆説的に価値を獲得している、、、ボードリヤールが生きていれば是非聞いてみたい質問である。

September 19, 2014

山梨で現場説明会5社

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朝一で山梨に行く。現場説明会を11時から行う。ここも夏が終わり秋の風。11時から1社、1時から1社、2時、3時、4時と1社ずつ。やっと終わりました。それにしても約400㎡の木造の建物の入札参加者が5社もあるというのはちょっと嬉しい。新聞公告には入札予定価格が入っているのにもかかわらずである。さて落札できるだろうか?未だにやや心配である。

September 18, 2014

書評に展覧会テキスト

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久しぶりに東京駅の丸善で本を物色。1時間ほど見て回り美術、社会学、哲学の本を10冊ほど選ぶ。ここ半年くらいは自分の執筆領域以外の本は買わないことに決める。本は宅配に回し四谷に戻り、カフェによって一昨日頼まれた書評の本を再読。頭の中では設計図が出来始めてさあ一気に書きたいと思ったところで隣に少々うるさい4人組が来たので残念ながら帰宅。さて書こうと思ったら海外からメール。展覧会用のデーターを送っていたのだが、テキストが少ない。もっと長く書いてくれと命令が来た。うーん今回は赤い家を指名されたので詩的なパネルを作って6枚送ったのであまり説明をつけたくないのだが、、、、、仕方なく少し書いて送った。まだ少ないと怒られるだろうか??

September 17, 2014

フィオナ・タンを見ながらカリエの写真を思い出す

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●Carrie Mae Weems Not Manet`s Type 1997
先日もうすぐ2年間の休館に入る恵比寿の写真美術館でフィオナ・タン「まなざしの詩学」を見た。そこにフィオナ・タンをめぐる用語集なるものがあり今日ぺらぺらめくりながら「対位法」というページに目が止まった。
フィオナ・タンの展覧会で最も面白かったのはビデオが流れながらとうとうと流れるナレーションだった。これはビデオの説明になっているわけではなく、かと言って全然関係ない言葉の羅列というものでもなかった。対位法とはあの視覚と聴覚のつかず離れずの関係を、説明している。「フィオナ・タンの作品における映像とナレーションは、必ずしも説明的に相補し合うのではなく、しばしば換喩を通して間接的に繋がりながらそれぞれ独立した方向に発展する・・・・・」
この説明があの時の映像と語りを思い起こさせると同時に春にニューヨーク、グッゲンハイムで見たカリエ・マエ・ウィームスの写真の不思議な感性を彷彿とさせた。カリエの写真のいくつかには写真の一部あるいはその下に短い文や言葉が併置されている。そしてそれはキャプションではなく写真の説明ではないのである。ここでは双方視覚で受け取られているものの、目から入った後のルートが異なり別々に理解されている。その意味でフィオナ・タンの対位法に近い。
こういう別々の知覚ルートを用いた表現はアートの作為的な刺激とは言えず。我々は日常こういう複層する刺激を脳内で合成することで新たな表象を作り出している。その意味で彼らの表現はむしろ我々の自然な感性を呼び戻していると言えるのだと思う。

September 16, 2014

どうしたら執筆時間が作れるか

今日は呉先生と昼から打合せして、午後院浪していた4年生と打合せして、夕方留学生のルイスと打合せしていたら夜になってしまった。これから年末まで集中してとある本の原稿に集中しようと思っているのだが、思っているそばから虫食いのように集中が切られていく。まあ大量な時間がとれるなんて期待する方が鼻からありえないことなので虫食いの時間に集中する術を心得ていないといけない。一体どうすればいいのだろうか?
一冊の本も一歩から、博士論文を書いた時のことを思い出そう。あの時は長野東京の往復を執筆時間にあてていた。そうすると毎週定期的に必ず6時間程度の時間が取れるのである。つまり平均すると一日一時間である。この毎日あるいは二日毎に2時間をコンスタントに執筆にあてることが重要である。そうすると前回書いたことをすぐに思い返せるのである。これが2週に一度10時間だと、思い出すのにかなりのエネルギーが必要で効率的ではないし、そういうまとまった時間はそもそも取れないのである。
では年内は朝か夜の2時間を執筆に当てる。この時間は邪魔させないことに決めよう。そうすればなんとか年内にカッコつくだろう。

September 15, 2014

この空間を変えられるか?

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3時に都内のホテルで新たなクライアントの可能性のある方に会う。その方の会社の多分社長とヨーロッパで少々、日本でその社長の友達の日本人と国際電話で少々話ただけである。その日本人は現在日本に来ているその会社の方に会って欲しいということなのだ。
会ってみて1時間話してやっと少し分かった。彼によれば、限られた予算の中で、とあるスペースにインスタレーションして、1ヶ月間その場所を違う空間にして欲しいということであった。しかも工事期間は4日間。こんなことできないよな。普通ならその場で断るような話なのだが、少し考えてみることにした。というのもこのスペースで働く社員の制服をデザインするのが世界的なファッションデザイナーであり、什器備品をデザインするのもこれまた有名なデザイナーだから。とりあえず可能性をメールするよと言って別れた。

September 14, 2014

浄土寺はよかった

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学会三日目。いつからか学会はM1との建築旅行の体をなすようになった。というわけで自分の仕事がなくても2泊はしてレンタカーを借りてその地方の建築を見て回る。今回も初日に浄土寺、安藤さんのお寺、夢舞台、六甲の集合住宅、明石海峡大橋、二日目は六甲山展望台、ライトの淀鋼迎賓館、清家清の豊雲美術館、と見て回った。見るものは学生が決めてこちらは乗っけていってもらうだけだけれど、そうでもしなければ見ないだろうと思うようなものに連れて行かれて、それはそれで面白い。こちらが見たいと思うところに行くわけではないのでいつも心に残る建築に出会うことも少ないのだが、今回は浄土寺が最も印象的だった。12世紀に再建された古寺である。6メートル3スパンの正方形平面に16本の柱が建つ厳格に幾何学的な平面型である。内部空間に間仕切りがなく天井もはらず構造を露出したワンルームであり空間を感じるつくりである。内部が撮影できないのが残念であるが素晴らしかった。
ところで去年も司会が二つ三つあったと記憶しているが、今年も司会の任が三つあるというのは少々重荷。意匠計画で司会を選ぶ係りをしながら、デザイン会議で司会に当てられている。調整して欲しいものである。

September 13, 2014

清家清豊雲会館

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学会二日目神戸大に朝一で行く。研究室の学生がデザイン会議で発表を二つ行う。その後司会をワンセッション。午後は学生とレンタカーに乗って、六甲山の展望台、フランクロイドライトの淀鋼迎賓館、清家清の小原流豊雲記念館、ゲーリーのフィッシュダンスを観て回る。夜は学生たちとお好み焼きを食す。昨日から食べ過ぎ?

竹山さんの作品に遭遇

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朝一の新幹線で神戸へ。学生と合流して建築ドライブ。淡路島を周り大阪十三のホテルへ。近くには竹山さんの母校と竹山さんデザインのRCの建物がある。夜は近くの串カツ屋で大阪料理堪能。明日は学会で学生の発表が二つと自分の司会が一つ。

September 11, 2014

内容詰まる

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午前中勝浦の別荘の図面査図。午後までやったけれど終わらず大学へ。3時に編集のKさんグラフィックデザイナーの中野さん、佐賀大の平瀬さんが登場。平瀬さんは昨日SDレビューのオープニングで東京に来られていた。
グラフィック本の内容がさらに詰まっていきページ割りも概ね決まり、そして事例分析を具体的にやってみた。なるほどこうなるのか面白い。ただしこれだけだとA4にはめた時スカスカ感がまだありそうである。一気に詰めていき年度内に全体が固まればいいのだが。
夕方事務所に戻り査図の続きをしているとデンマークから電話。日本に進出する某レストランのインテリアの手伝いをして欲しいとの依頼。この忙しさに思わず断りたかったが、ネットでその名を見ているととんでもなく有名なレストラン、来年オープンなのにすでに予約はいっぱい、メニューは超豪華と知る。

• フィックス・メニュー+ワイン・ペアリング(39,000円+24,000円)
• フィックス・メニュー+ジュース・ペアリング(39,000円+16,000円)
• フィックス・メニュー(39,000円)アラカルト ワイン、またはお飲み物(料金別途)を追加いただけます。
上記の料金には別途消費税8%とサービス料13%を申し受けます。
これは半端ないなと思い直し来週日本に来ているラースという名のシェフに会うことにした。

長谷川逸子・住宅

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長谷川逸子さんから本を頂いた。彼女が篠原研をやめてから現在まで1972年から2014年までにつくられた住宅と集合住宅を集めた作品集である。時代とテーマで目次だてされている。1972年から1983年までが「長い距離・ガランドウ」ここに12の作品がある。だいたい1年に1作品。次が1984年から1991年まででタイトルは「複合と多様性」。ここに16作品。だいたい1年に2作品。そして最後が1992年から2014年まで。ここは「コミュニケーションの装置」と呼ばれ20作品ある。1年に1作品である。全体では約40年で48作品。それぞれの時期に長谷川さんらしさがあるのだが、僕の中ではこの真ん中の時期複合と多様性の時期の長谷川さんが最も長谷川さんらしく感じられる。つまりはポストモダニズムのバブルの頃。湘南台にも見られた小さな要素の集合体としての建築が煌びやかで可愛らしくそして楽しげである。世紀を超えて現在、写真を全部白黒でそしてミニマルな表紙が長谷川さんの今の心境を表しているようにも見える。

September 9, 2014

MRI初体験気が狂わんばかりの轟音に驚く

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放射線科の部長先生である級友Wに脳のMRIを撮っていただいた。MRI初体験の私は何も知らず、少々緊張して診療台に寝させられた。そして機械が動くと音がうるさいからとヘッドホンをはめられた。その上頭をバンドで固定されあの円筒形のマシンが体を覆い始めて、閉所恐怖症の私はちょっと焦った。窮屈なのでヘッドホンと、ヘッドバンドをとってもらった。しかしとって少し解放されたのだが、撮り始める段になって音の大きさが半端ではないことを知る。工事現場音と言っていたがそれだけではない。ぎーぎー言う音には参る。エレクトロミュージックと言えばそうでもあるがとにかくやたら神経に障る音である。一種の拷問である。しかしそう考えると20分も持たないので必死に今朝覚えたスペイン語を大声で暗唱などして気を紛らわした。。
終わって友人の所見を聞く。「ところで何が理由でMRI撮る気になったんっけ?」と聞かれてさて何だったか?そうそうアルツハイマーが脳ドッグで予測できるというテレビを見たから。と言うと。あと10万出して脊髄のなんとか液を取って分析すると分かるけれどやる?でも分かったところで何も対策は無いわよと言われ、やらないことにした。

自転車にやさしい都市ランキング

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世界都市のコペンハーゲナイズ(都市の自転車化)というウエッブサイトに自転車にやさしい街ランキングが出ておりそれが9月7日の朝日新聞globeに掲載された。それによると1位はアムステルダム、2位はコペンハーゲン。ここまでは常識的だがなんと東京が10位でそれより下にバルセロナ(13位)パリ(14位)がある。そしてなんとロンドンはランク外。このランキングをつくっているのはコペンハーゲンの都市交通家だそうだが当然多くのボランティア募り調査したそうだ。日本は皆自転車に乗っているということでランクが高いそうだが、それは自転車にやさしい街の評価基準としてはいかがなものか?やっぱり乗ってみて歩行者も自転車も安全で快適であることが基準となるべき。そう考えると日本がバルセロナより上とはちょっと考えにくい。

出張後のたまった仕事

さすがに溜まっていた仕事をこなすのに少々疲れた今日一日。朝早く図面を送った施主から電話で起こされ、午前中某物件の見積もりについてクライアントとお話しし、午後大学に着き結構重要なメールをいろいろ打ち、夕方4年、M1のゼミ、夜学生とお話しし、疲れて助手の佐河君と家路につく。研究室の壁にはグッゲンハイムコンぺの最終成果品A1版4枚が張られている。数日前最終品をPDFでもらっていたけれどもちろん画面で見るのと本物では大違い。最終品はそれなりにいい仕上がりになった。皆ご苦労様。

September 8, 2014

友人宅

明日から公告の図面のチェック。時間があまりないので要所要所を見ていく。二棟分あるのでけっこうしんどい。終わって、韓国から一時帰国している友人宅へ。井の頭線沿線の住宅地。三井が分譲している土地なので三井ホームの住宅である。中を案内されて感じたのは開口部が少なく比較的小さい。そういう目で周囲を見るとやはり開口部が少なくて小さい家が多い。これは気のせいなのか?住人の意向なのか?それとも三井ホームのツーバイフォーを起源とする構造システムによるのか?

September 6, 2014

帰国して新宿へ


それにしても10時間以上の飛行機の旅行は学生のころからその時間や快適性は30年以上何も変わっていない。もう少し楽に行き来できるようになればいいのにと思う。アムスから成田に戻り、家に戻り事務所に行くと明日査図を行う甲府の仕事の図面を描いているT君がいた。ご苦労様。玄関のところに別の仕事の見積もりが届いていた。開けてみるとあれあれ木造とは思えない値段が入っているので参った。午後配偶者と新宿にアートフェスタを見に行く。もうそろそろ会期も終わりということでわが研究室の作品は瀕死の重傷という感じである。さあジェットラグ解消のためにもう寝るかな。

September 5, 2014

ヤコブセンの集合住宅

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ロイアルアカデミーでのセミナーの後。夜はレネ家に招待いただいた。コペンから電車で20分。森の中の集合住宅である。設計はヤコブセン。イエローブリックを積んだ50年代の建物。オリジナルのまま丁寧に使われているのがよくわかる。家からの眺めは信じられないくらい美しい。コペンの郊外はすべてこうなのかと聞くと、そんなことはなくここは特別な場所だと言っていた。

September 4, 2014

王立アカデミーでセミナー

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コペンハーゲンの王立アカデミースポーツ文化研究所でセミナーを開く。昨日と違い今日はプロフェッサーたち相手なので少々緊張。昨日オールボーにアダプターを忘れてきたのでコンピューターの電源が切れそうである。冷や汗ものだった。セミナー後、セミナーに来ていた王立アカデミーの美術館の館長さんと来年春行う展覧会の打ち合わせを行う。とりあえず彼のコンセプトをもらい意見をくれと頼まれた。その後展覧会場を見せてもらう。こんな広いところは一人で使いきれないな。今はノルウェーの建築の展覧会が行われている。

ウッツオンセンターでレクチャー

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9時半にピーターが迎えに来てくれて建築学科のある建物に連れて行ってくれた。いくつかの建物を見てからウッツオンセンターのレストランで先生たちと昼食をとって、1時からレクチャー。満員御礼。1時間たっぷり話をした。その後国際交流課を訪ね、今後の大学間協定の話をする。素晴らしい天気と楽しいレクチャーに大満足。

September 3, 2014

オールボーの自転車

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オールボーの市のレンタル自転車を発見。素敵なデザインの青い自転車はなんとただである。チェーンロックに2ユーロ入れるとロックが外れ、返却すると2ユーロ戻る。まるでコインロッカーである。説明書きには個人のチェーンロックをかけないことかけたらカットすると書いてある。

ルイジアナでジャコメッティを独り占め

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今日は夕方オールボーに行くのだが、その前に電車で20分のルイジアナ美術館に向かった。世界の美術館の中でも2回行こうと思うところはそんなにないのだがこの美術館はそんな美術館の一つである。昨年も開館前に行って開くのを待っていたが今年も早めに行き、開くと同時にジャコメッティの部屋まで先に行き一人堪能させていただいた。ジャコメッティを後ろから見る。この手の細い像が皆女性なのはどうして?優美な線を鉛筆のように表現する拘束の中に緊張感を求めているのだろうか?10分したら後続が追いついてきたので場所を明け渡す。海の見えるテラスでランチをとってからルイジアナを後にして空港へ。夕方の便でオルボーへ飛ぶ。空港にはオールボー大学のピーター教授が迎えに来てくれておりホテルへ案内してくれた。

September 2, 2014

コペンのレンタルバイクはカーナビ付き

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今日は雨の天気予報が快晴。チャンス到来で自転車ディ。こちらの人から聞いたシティバイクに乗ることにする。これはレンタルバイクなのだが、お店で借りるものではなく、まずネットでユーザー名、パスワード、クレジットカードを登録して二つの支払いシステムを選ぶ。僕は1か月支払として登録料1800円をカードで払う。そして借りられるドッキングステーションを調べ、そこに残っている台数を確認して予約。その場所に行くとカーナビのついた自転車があり、そのカーナビに登録したユーザー名とパスワードを入れると自転車が器具から外れ使えるようになる。ナビがついているのでどこに行くのも楽だし、電気自転車なのである。エンリクも言っていたが、バルセロナもゆくゆくはすべて電気自転車になると言っていたがその兆候とも言える。自転車自体はオランダもそうだけれど、とてもごつい。コペンの自転車レーンは幅も広く乗るのは楽だと思っていたがそうでもない。アムステルダムに比べると大きな道路があるので左折するのがとても難しい。アムステルダム同様小学校で自転車の乗り方を教えられてテストを受けるのだそうだ。

September 1, 2014

ロイアルアカデミーのゲストハウス到着そして夕食の買い物

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レネの用意してくれたロイアルアカデミーの宿舎にたどり着いた。昨年オーフス大学で用意してくれたところも素敵だったが、こちらも素晴らしい。最上階のペントハウスでリビングがテラスオープンキッチン付で40畳くらいあり、3ベッドルーム。僕の部屋はハンス・ウェグナーの部屋で家具がすべてウェグナー。部屋は20畳くらいで書斎とベッドが家具で仕切られている。とにかく広いので今日までの狭小部屋からの解放感と言ったらない。しかし生憎の雨。着いたらさっそく自転車に乗ろうと思ったがかなり強いので諦めて近くのスーパーに今日明日の食材を買いに行く。オランダではすっかり野菜不足に陥ったので野菜をたくさん買う。レタス、大根、アスパラ、ベビーリーフ、ジャガイモ、チーズ、李、フルーツジュース、生ハム、パン、ビール、水、ポテトチップス、占めて175クローネ、約3500円。まあ日本とほぼ同じでしょうか?