頼みの綱はNGO?
大澤真幸、塩原良和、橋本努、和田伸一郎『ナショナリズムとグローバリズム-越境と愛国のパラドックス』新曜社2014を読むと、グローバリズムとナショナリズムは表裏一体であるが、どちらかが強まればどちらかが弱くなるというものでもなく、昨今はグローバリズムと同時にナショナリズムが高まる状況であることを例証している。それは昨日読んだ柄谷氏の話しと同じで、現在が第一次対戦前夜と同様な帝国(主義)的状況にあり、かつ、グローバリズムが生み出した経済停滞への不満が違う形(ナショナリズム)として発露してきたということなのである。もはや官に期待できない現代社会ではNGOが世界的な公的機関に代わりグローバリゼーションへのオルターナティブを考えている。それに期待したい。ということはドメスティックに見てもグローバーりぜーション(新自由主義)を続ける限り頼れるものは第三者機関ということになる。