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ファッションのスピード

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●シャネル26歳、未だ店を出す前の頃。可憐な美しさが漂う。
階級制の崩壊は社会をそして文化を変えた。ということは最初の市民革命が行われたイギリスにおいて建築はどう変わったのだろうか?という思いでイギリス建築史を見ても17~8世紀にかけて大きな切断は見られない。フランス革命でもルドゥーが革命前から徐々に新たな建築を考えていたけれども決定的ではない。
そこへ行くとファッションではイギリスでも、フランスでもこの時期に大きな切断があった。イギリスでは18世紀に新しい紡績機が考案され一気にファッションが大衆化した。またフランス革命は一夜にしてファッションを簡素化した(新古典主義も大きく影響していたようではあるが)。作るのに時間のかかる建築よりもファッションのほうが時代を直接的に反映しやすいようだ。20世紀に入ってシャネルがパリに店をだすのは1910年。そして12年に海岸沿いにブティックを開きスポーツモードを展開する。彼女は特権階級的衣服を王の座からから引きずり下ろしたのである。
シャネルはファッション界のル・コルビュジエと言えるだろうし、上述のとおりコルブより時代を反映するスピードは早かったのではないか。そしてそれゆえに戦前ほとんどのエネルギーを費やしてしまった(戦後復活するものの既に彼女の時代は終わっていた)。もしエネルギーが残っていたらコルブのようにモダニズムらしからぬ第二の人生を歩んだのだろうか?ディオールのようにもう一度女性を女性たらしめるようなデザインをしたのだろうか?

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