長谷川逸子・住宅
長谷川逸子さんから本を頂いた。彼女が篠原研をやめてから現在まで1972年から2014年までにつくられた住宅と集合住宅を集めた作品集である。時代とテーマで目次だてされている。1972年から1983年までが「長い距離・ガランドウ」ここに12の作品がある。だいたい1年に1作品。次が1984年から1991年まででタイトルは「複合と多様性」。ここに16作品。だいたい1年に2作品。そして最後が1992年から2014年まで。ここは「コミュニケーションの装置」と呼ばれ20作品ある。1年に1作品である。全体では約40年で48作品。それぞれの時期に長谷川さんらしさがあるのだが、僕の中ではこの真ん中の時期複合と多様性の時期の長谷川さんが最も長谷川さんらしく感じられる。つまりはポストモダニズムのバブルの頃。湘南台にも見られた小さな要素の集合体としての建築が煌びやかで可愛らしくそして楽しげである。世紀を超えて現在、写真を全部白黒でそしてミニマルな表紙が長谷川さんの今の心境を表しているようにも見える。