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February 27, 2014

I would not drink wine in the morning.

昼ころ大学へ。久しぶりの雨である。午後いろいろと雑用をこなす。さっさと終わらしてワインでも飲みたいと思っていると、昨日のワインを思い出した。昨晩のディナーにはスペインのワイン会社輸出マネージャーが同席していた。スペイン大使館の文化参事官は私が南のワインを好きなことを知っていて彼女に是非スペイン南部のワインをお勧めしろと早口の英語で言っていた。すると彼女は銀座の「スペインクラブ」というスペイン料理屋で土曜日に試飲会をするので是非どうぞと言う。When?と聞くとにっこり笑ってIn the morningと言う。僕は朝から酒は飲まない主義なのでというと周りの人が笑う。In the morningの意味は朝じゃなくてランチの前までを指すと言う。そして彼らのランチは2時ころなので要は一時ごろということ。なるほど。ランチの食前酒なら分かる。文化参事官は横から口を出してきた。スペイン人はクレージーで昼からビールでもワインでも平気で飲むし下手するとウィスキーだって飲む。これじゃ午後は仕事にならない。彼はラテンらしからぬアメリカ的な気質の持ち主である。僕が毎朝ジョギングしていると言うと一緒に走ろうと言う(と言うわけで、来週ペニンシュラ前で会って皇居をジョギングすることになったのっだが)「いつも走っているの?」と聞くと。なんとこの5年間に4回フルマラソンに出場していると言う。いや参った。

東京で最高のスペイン料理屋の名はPero

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セルバンテス文化センターでフレッシュジャパン・フレッシュラティーノという展覧会をやっている。コーディネーターをしている伊藤さんからメールをいただきラティーノ好きの私はいそいそと出かけた。一人6分のプレゼン時間で次々とフレッシュジャパンの建築家たちのプレゼンがあった。さていつラティーノが出てくるのかと思ったらジャパンで終わってしまった。でも有山さんや中川君、トラフなど興味深いプレゼンだった。
オープニングパーティーの後スペイン大使館の文化参事官と食事に行く。ここが東京で最高のスペイン料理を出すんだと連れ行かれたのは銀座。店の名がふるっている。Peroである。訳すと「しかし」。

February 26, 2014

金町の由来

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先日四谷という地名の由来で議論になったので筒井巧『東京の地名』河井書房新社2014で調べてみたら、なんと通説の四つの谷ではなく四つの家だと書いてあった。
そこでついでに他の地名も見てみると、この本には下町の名前が多く載っており「金町」を見つけた。其れによると金町は江戸時代の宿場町新宿(理科大の住所)を通る水戸街道が防衛上の理由で鉤の手状に曲げられていたことに端を発する。そこからその道が大工の使う曲尺(カネジャク)に似ていることで新宿の南側が曲金(マガリカネ)と呼ばれるに至る。そこで推測するに金町も曲町(カナマチ)の意から字が変わったのだろうと書いてあった。四谷といい金町といい音を残し漢字を変えているところが面白い。イメージを変えたいということだろうか?

February 25, 2014

手抜きを防ぐにはリーダーがしっかりすること

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組織の中では働いているのは2割で残り8割は遊んでいるとよく言われる。その8割を個別に働かせるときちんとした成果を出すのだが集団に入れると手抜きをする。大学にいると別にそんなことを意識しないが日建にいた時はよくそう思った。
釘原直樹『人はなぜ集団になると怠けるのか「社会的手抜き」の心理学』中公新書2013を読みながらそんな一般論を思い出す。そして自分も研究室や事務所と言う集団を統率する人としてどうしたらいいのだろうと思う時もある。とは言え人間社会に100%を期待するのは無理だし、ルーズな人間がいるから組織が硬直化しないというのも一方の真理だと思っている。なので研究室には80%事務所には90%程度しか期待しない(これでも結構目標値として高いはず)。
とは言えこの数字は放っておくとぐんぐん下がる可能性があるのである程度は集団の社会的手抜きに気を付けなければならないのだが、どうもそれを封じるもっとっも良い手はリーダーがしっかりすることのようである。
その場合のリーダーの資質は
① 部下の理想の人物として尊敬されること
② ビジョンを提示しその達成可能性を伝えること
③ 自発行為を促し失敗の責任をとること
④ 部下の良き相談相手となること
これを見てああリーダー失格と思ったあなたは大変謙虚。私も自信を失いました。

February 24, 2014

健康と安全を祈る

今朝娘が旅行に出かけた。この旅行のために彼女はひたすらバイトを重ねかなりの額を貯めたようだ。今回の旅行は一か月以上ということもあり昨晩は久しぶりに家族で食事をした。一体どこに行くのかを一応聞いておかねばと思ったからである。そして餞別をあげねばと思い100ドル渡した。そして行き先を聞いたのだが正確には覚えていない(というかいちいち細かいところは聞いていない)。
というわけで何月何日どこにいるのか把握していない。こんな状態で何か起こると一体親は何をしているのかと言って問題になるのだろう。確かにそれは問題である。なので、できれば毎日本日の居場所をメールもらえるとありがたいのだが一体彼女はcpuを持って行ったのだろうか?巨大なバックパックとショルダーバックの中にcpuが入っているかどうかはよく分からない。もう成人したのだから自己責任でどうぞと言う気持ち半分、やっぱり女性だから戦ったら負けるだろうなと不安半分。

とりあえず健康と安全を祈る。

四ツ谷ミツヤビル

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午前中ゆっくり寝てからジョギング。今日は東京マラソンなので交通規制中。新宿通りを走っているといつも見慣れたビルの看板に目が留まる。このビルの名はヨツヤミツヤビルだと知る。だいぶ前だが家の近くに三谷という寿司屋がありこれは何と読むのかと疑問に思ったが娘が「ミツヤ」ではないかと言う。僕はミタニだとおもったのだが。このビルもヨツヤにかけてミツヤなのだろうか?
ブランチとって自転車で神楽坂へ。翻訳読み合わせ会。ようやくゴールが見えてきた。夕方今日もジムで一汗流し。夜は久しぶりに家族で食事。明日から娘はヨーロッパに長く旅行。

February 23, 2014

入試は続く

朝から大学院博士課程の入試。志願者が6人おり2時間かけて各自のプレゼン、質疑を行う。それに社会人修士の筆記試験。午後は社会人修士の面接3名。終わって判定会議を行う。その後計画系の教員が集まり来年度の大学院授業の打ち合わせ。その後街づくり研究所の今年度の報告書作成の打ち合わせ。結局終わると5時過ぎ。春休みに入って毎週末が結構タフである。夜は四谷に戻りジムで少し走る。かみさんと神楽坂アズーリで夕食。

February 22, 2014

坂牛現れる

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午前中卒業判定会議を行い昼から社会人選抜の決定会議を行い午後もう一つの判定会議を行い夜神楽坂に来て理科大二部の2年生から4年の卒業設計まで含めた優秀作の合同講評会を行った。担当された非常勤講師の方(長谷川さん、宮原さん、木島さん、手島さん、柳澤さん、古見さん、川辺さん、高橋堅さん、)それから常勤の山名さんと僕が講評、最後に投票。全学生もポストイット持って投票。学生一票1点、先生一票10点で合計点で優秀作を選ぶ。毎年そうなのだが上位に卒業設計は入らない。皆学年を考慮して投票するからだろうか??上位に入った2年生の森の家の設計に何故か牛がいた。よく見ると脇腹に僕の名前が入っている

February 20, 2014

フローデザイン

昼から金町で会議、その後環境の倉渕研究室でフローデザインという空気フローのシミュレーションソフトで遊ばせてもらう。来年度の3年生の製図の1チームはライノとフローデザインを使って環境オリエンテッドなデザインを徹底してやろうと思う。そこでは実験的に模型は作らない。すべてはヴァーチャルな世界でデザインする。現在ライノとフローデザインがインストールされたコンピューターが10台用意されているので学生はそこに詰めてデザインする。
80人の学生が全部そうなると困るのだが、10人くらいそんな育ち方をするのも今後の建築界には必要だと思う。そういう風に育った人はもしかすると意匠のよく分かる環境エンジニアになるかもしれないし、環境のよく分かる意匠デザイナーになるかもしれない。そんな中間を領域をできる人が今の建築界には必要である。

February 19, 2014

政治はバランス

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大下英治『日本共産党の深層』イースト新書2014を読んでみた。深層というからには我々の知らぬ奥深い何かが書いてあるのだろうと思うし、普通こういう風なタイトルなら日本共産党の悪を暴くという調子なのだろうと予想した。しかしその予想は裏切られ殆どこの党の広報誌と思わせるような党の英雄列伝である。
もちろんここに書かれている膨大(と思われる)取材内容が真実ではないとは思わないけれど、これだけが共産党の深層かと言われればそうは思えない。この手のルポはバランスが取れていないと面白くない。
私の実家には小さい時からメジャーな新聞に加え赤旗も届いていており左翼系の思想に拒否反応はない。それどころか未だに自民党(特に右派)には与できないと思っている。そんな志向を持ってはいても政治はバランスだと信じているので左翼礼賛もこれまたどうかと思うわけである。

アルフレックスのショールームに初めて行った

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その昔20年くらい前に自宅の丸テーブルとイスをアルフレックスで購入し、双方足を5センチくらい切ってもらった。デザイナーには悪いと思いつつ狭いリビングでソファとイスの両方置くなんてできないのでゆったり座れるようにした。その当時アルフレックスは青山あたりにあったような気がする。その後恵比寿に引っ越してアルフレックスを入れるような仕事は無かったのだが今の仕事のクライアントがアルフレックスを入れたいということで始めて恵比寿のショールームに行った。
なんともリッチでゴージャスでリラックスできる家具はあるものだ。お値段も立派だが。

February 18, 2014

造形教育のコンテンツを議論

来年度の建築造形の演習を担当してくれる西沢徹夫君と製図基礎を担当する中島壮君の3人で打ち合わせをした。この二つの演習は1年生意匠系の重要な基礎演習である。
西沢君が持ってきた演習テーマがとてもいいものだった。それは単に何かを作らせたり描かせて終わりというものではなく(やりっ放しではなく)、何かを作らせたらそのどこが面白くて、魅力的で、どこがつまらなくて、いかさないのかを読み込んで(reading)それを直して再度造形化する。さらにそれを読み込んで(reading)再度造形化するというプロセスを教えようと言うものである。
つまり2年生3年生になってから製図をやり始めた時に学生たちが最もできない「デザインデヴェロップ」の基礎を教えようとするものである。
そのためには例えばプロのデザイン(グラフィックだったり、写真だったり、漫画だったり、プロダクトだったり)を見てそのどこがポイントなのかを示し、あるいは議論し、その視点で自らの造形を作ると言うようなことも一つの方法である。それによって作ることの裏にあるものの見方を同時並行的に学ぶわけである。
これはなかなか画期的な初級造形教育の視点だと思う。4月からが楽しみである。

February 17, 2014

2回目のアクアライン

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東京湾アクアラインを通り木更津から勝浦へ。クライアントと敷地を見に行く。木更津には未だ雪がところどころに残っているが勝浦まで来るとかなり暖かい。それでも金曜日は雪だったらし。三井不動産の分譲別荘地だが、大半は既に定住しているそうである。もちろん住人は東京のリタイアメント組とのこと。さて実際の敷地を見ると予想していたことと少々異なることに気付く。先ずは一か月時間をもらい最初のスキームを練ることとする。
帰りも横断道路を川崎へ。アクアラインは日建時代に景観設計をほとんど一人でやっていた懐かしい仕事。とは言え車に乗らない僕にとってはできてからこの道路を使ったのは二回目である。

February 16, 2014

一本の木

一昨日の大雪、昨日の雨が一転今日は快晴。朝起きてジョギングをしながら今日は植樹会日和だと安心しました。建築を30年やってきて様々な式に出た経験はありますが、植樹式と言うのはこれが初めてです。そんな式が世の中にあると言うことさえ知りませんでした。それにしても少々大袈裟、たかだか木一本のためにここまでするのかと思わなくもありません。しかし木一本されど木一本というところがあります。
数年前私の卒業した小学校を訪れた時のことを思い出します。私の小学校は西武池袋線の江古田にありました。当時はそのあたりの団地に住んでおりました。師走の夕方、江古田の駅を降りて記憶を頼りに小学校を目指します。きっと様々な懐かしい風景に触れることができるのだろうと期待しました。ところがそんな期待は裏切られます。なぜかと言うとどこもかしこも建て替わっているからです。駅前の日大芸術学部も新品に入れ替わり、住んでいた団地もピカピカのマンションのようになり、そして小学校も昔の木造2階建ての面影はどこにもありません。鉄筋コンクリートの建物に代わっていました。そんな小学校の敷地の中をうろうろしているとふと懐かしい感覚におそわれたのです。それは卒業の時に記念に植えた木のあたりの風景でした。植樹した場所は芝生広場の一画。そのあたりには数本の木があり一体どれが自分たちの植えたものか分かりません。それでもそのどれかであり、とても大きくなった木を見ながら小さかった40年前が想像されるのです。そしてその時のことがノイズの入ったテレビ映像のように脳裏に蘇るのです。建物は建て替わっても木はそこにずっと生きていると感じました。木が自分と一緒に40年間を過ごしたその時間が現れているようでもありました。
私が生きている間に金町キャンパスが建て替わり、この木だけがここに残るというようなことはまずないでしょう。しかしこれから数十年後に自分が死ぬ前にこのキャンパスを訪れて大きくなったこの木を見ることはきっとあるでしょう。その時にこれから経過する時間をこの木は体現しているはずです。自分もだいぶ年寄りになっていることでしょう。木と私はその時間を分かちあうことになるのです。そして数十年前の晴れた日だったなと今日を思い出すのだろうと思います。

卒制発表会

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昨日は修士、今日は学部の卒業制作発表会。OB諸氏の審査でOB賞(築理会賞)を決定。雪の中皆さん来られるか心配したけれど無事行われ白熱議論。ごくろうさまでした。
審査後、審査委員の方々と昨日の修士設計を見たけれど、やはり修士の制作はいろいろな意味で一枚上(当たり前かもしれないけれど)ということを確認。

February 15, 2014

修士論文、設計発表会

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修士論文、修士設計の発表会。僕の研究室も論文1人、設計5人。皆よくやったと言いたいところだけれど、終わってから審査要旨を書いていると冷静に各人のいいところ悪いところが見えてくる。

February 13, 2014

5年前に止まったプロジェクトの再開

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5年前に基本設計まで行ったところで補助金の目途がつかず座礁していた情緒障害児短期療養施設のプロジェクトが再開しそうである。というわけで2009年の日付の入った図面を見ながら事務所に残された模型と睨めっこしていたのだが、どうも図面と食い違う。最新図面の模型は作らなかったのだろうかと頭を抱えていた。するとなんとクライアントのところに最新図の模型はあった。そういうことだったか。半日この模型を見ながらどこからどのように進めるかを話し合った。分棟型のこれらの施設に一度に補助金が下りる見通しはない。更に将来の動向を見据え老人施設を組み込む可能性はあるかなど1時から結局夜までああでもないこうでもないと議論は続いた。

頑張る

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マンションンの中庭には未だ雪だるまが溶けずに頑張っている。大学の雑用を朝から処理しワークショップブックレットの打ち合わせをして、夜東工大に行く。非常勤講師の懇談会。来年から3年生の製図を金箱さんと一緒に見る。さてどんな課題にするか?考える暇がない。安田さん塚本さん金箱さん藤岡さんと二次会。藤岡先生は肝炎だったのが奇跡的に実験薬が効いてお酒が飲めるようになった。塚本さんと南北線で四ツ谷に帰る。つい二人でもう一軒。

February 11, 2014

アルビン・ラングドン・コバーンとの邂逅

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本日は理科大二部建築学科の社会人特別選抜の入試。朝10時から新入生の試験。午後は編入生。3時ころには終了。久しぶりに帰りがけにジムに行って汗をかく。帰宅すると定期的に送っていただいている『美学芸術学研究』31号が届いていた。これは東大美学芸術学研究室で発行している査読付き論文集である。何しろ美学だから対象範囲はとても広く自分の興味に近いものはいつも1~2割。しかし今回は掲載五題ともとても興味深い内容。デカルトの音楽論、バシュラールの触覚、A.L.コバーンの世紀初めのニューヨークの写真読解、アリストテレスの感性論などである。そこでジムの疲れもなんのその、コバーンの写真読解を早速読んでみる。著者は院生の調文明さん。この当時のニューヨーク写真の一般的な解釈であるピクトリアリズム(絵画的写真)からモダニズム(造形的)への移行という枠を超えて近代構造物への畏敬とそれを支えるプロレタリアートの世界の二重構造などコバーンの視点を細かく分析している。
ニューヨークの摩天楼写真分析は私の修士論文のテーマでもありA.L.コバーン(Alvin Langdon Coburn 1882~1966)は名前が分かっていたけれど資料を手に入れることができなかった。30年ぶりにその写真を見ることが(挿絵だけれど)できたのは何とも感激である。さらに修論での分析結果では当時の摩天楼は霧、霞、あるいは夜の空間に現象することが多くそれは近代の畏怖の念の現れではないかと推測していた。そして今回遭遇したコバーンの写真も(はっきりしないが)そうしたソフトフォーカスな空間に現象しているようでその頃の傾向を裏付ける事例なのかもしれない。

February 10, 2014

インテリアデザインと建築の境は?

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今村創平さんからこの本を頂いたのは去年。年末年始の忙しさでとてもこの大部の書を開く時間が無かったのだが、やっと一段落して読み始めた。タイトルは『インテリアデザイン史』(オーム社2013)である。インテリアデザインとは何かと昨今考えたことはないのだが、その昔一度だけ真剣に考えたことがある。それは学部3年生のいくつめかの課題が倉又史郎によるショップのインテリアだったからである。その時の結論は「建築は構築、インテリアは現象」というものだった。しかし今考えてみるとそれは浅はかで、建築だって現象するしインテリアだって構築が要るわけである。しかしそれはやはり程度問題。インテリア、特に店などにおけるそれは一つのイリュージョンでさえあるのだろうと思われる。インテリアと建築の境界なんて考えることが愚かとも思えるがしかしその職能も業態も未だに少々異なるのは故なきことでもあるまい。この本はそんな何かを明らかにしてくれそうである。

February 9, 2014

歴史はすべて偶然か?

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昨日パーティでお会いした大森さんが来季から理科大の近代建築の授業で「名建築のちょっと見慣れない写真」とか、「あまり知られていないけどいい建築の写真」を紹介すると言っていた(気がする)。それを勝手に理解して「傍流こそ主流だ!」というようなタイトルで「作られた近代建築史」を少々破壊する様な話をしたら面白いと言った。
今日小谷野敦『日本人のための世界史入門』新潮社2013を風呂で読んでいて、彼の「歴史は偶然の連続である」という言葉に半分共感した。そうであるまさしく近代建築史も偶然の連続をあたかも一つのお話の如く語るのは嘘だろうと思うわけである。よって大森さんの話を拡大解釈して一人で面白がっていた。
とは言え、近代建築史がすべて偶然かと言えばそれも正直言えば?である。ある法則(合理性と機能性の追求が建築を進化させるというような)がその時代を暗黙裡に前進させる力となっていたのも事実のような気がするわけである。コルビュジエもミースもライトもたまたまフランスとドイツとアメリカに偶然現れたとは考えにくい。

February 8, 2014

鵜沢さんの大賞受賞パーティーは白銀の世界で

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朝の打ち合わせもどうなることかと思ったがクライアント夫婦は完全武装で登場した。ありがたい。11時から2時間半50分の1の模型を前にいろいろなことが決まった。今日やれてよかった。クライアントと一緒に事務所を出て僕は横浜を目指す。副都心線ができたおかげでこちら方面に行きやすくなった。みなとみらいに着いたら吹雪である。鵜沢さんの神戸ビエンナーレ大賞受賞記念パーティー会場は展示場の海側にあるフレンチレストラン。ここに行くには一度クイーンズモールを出なければならない。ここが大変な状態である。とても横浜とは思えないストーム。長野にいてもこんな吹雪に会うことは滅多になかった。この会場は普通なら海が見えるところだが今日は白銀の世界である。
乾杯の発生をされた白澤先生が今日はあいにくの天気だけれどこれから雪を見れば鵜沢さんの作品を思い出しますと言っていた。

February 7, 2014

グズネッツ曲線

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ある国の環境汚染度とその国の所得の関係を調べた統計データーがある。それによると国民一人当たり年収が8000ドルを超えると環境への意識が芽生え環境が改善される。これを調べた経済学者サイモン・クズネッツにちなみこのグラフを環境クズネッツ曲線と呼ぶそうだ。ところが最近の研究において二酸化炭素排出量に関して調べるとその変曲点は年収30000ドルのところにあるそうだ。目に見えぬ二酸化炭素に対しては反応が鈍ると言うことなのだろうか?
(ソニア・アリソン土屋昌子訳『寿命100歳以上の世界』阪急コミュニケーションズ2013より)

February 6, 2014

一級建築士講習会

今日は一日一級建築士の3年に一度の定期講習会。日建学院の映像による講習。金箱さんや、伊香賀さんが登場するのでなんとなく身近な感じでいいね。たまに法改正のことなど聞いておくのも悪くない。それでも5年に一度で十分だろうと言う気はする。それにDVD見てるだけなのに一万円以上とるのは取り過ぎだろう。

February 5, 2014

マスク

風邪気味だった娘が朝起きてきて熱が9度あると言う。医者に行ったらインフルエンザ。あれあれ。さてこちらはどうしたものやら?事務所は事務所で風邪気味が4人もいるし、こうなれば大学にさっさと避難するしかない。
今日は何の因果かインフルエンザで卒論発表できなかった学生の日替わりの発表審査。二人の発表を聞く。マスク嫌いの私も今日は一日マスクをしていた。そうしたら帰りの金町駅で非常勤の中島先生に遭遇。彼も風邪気味でマスク。マスクな一日である。

February 4, 2014

完全な民主主義なんてない でも民主主義の近傍はあるはず

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ジャック・デリダは民主主義は完成しない(我々が我々を統治するということの完成型などない)けれど目指されなければならないと言い、それを「来るべき民主主義」と呼んだ。デリダ研究者である國分功一郎の『来るべき民主主義』幻冬舎2013は著者による道路敷設反対運動の実体験+デリダの思想を軸とした民主主義への提言である。
これほど民意が反映されない政治をなぜ民主主義と呼べるのか疑問に感じた著者の結論は明快である。それはルソーによって「立法権を主権(住民)が掌握することを民主主義と呼ぶ」と決められたからである。しかし現在我々の周りの様々なことを決めているのは立法の場(議会)ではなく、実は行政の場であり。そして我々は行政の決定に手も足も出ず、行政の人間を選ぶこともやめさせることもできないということに著者は思い当たるのである。そこで著者の提言はでは行政の決定に反対できる実効的な制度として住民投票を確立せよというのである。
シンプルな着眼点と対策だが「来るべき民主主義」に近づくための実効的な提言ではないかと共感する。

February 3, 2014

日本全国節分デモ

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大学から自転車で帰る途中防衛省の前でお祭りのような騒ぎ。何事かと思って近づいてみると米軍基地辺野古移設反対のデモだった。それが何でよりよって今日やっているのかと言うと節分にかけて豆を撒きながら「鬼は外」とデモっているのである。なんとウィットの効いた楽しいデモではないか。いいなあと思って帰宅後ネットを探るとあれあれ金沢でも反原発節分でもが行われているとか。こりゃ日本各地でやっているのだろう。確かに日本の政治には鬼がうろうろしている。早々に退場してほしいものである。

February 2, 2014

フルシチョフの建築

昼から翻訳会。今日は第5章コンクリートと政治。コンクリートが社会主義国でどのように扱われていたかが詳述される。彼らは徹底した合理化で国を作ろうとしており、そこでコンクリートの安さが注目され、更に品質管理の点からプレコンの研究が進む。フルシチョフはその昔建設現場で働いた経験をもとにプレコンを利用した規格化建築を提唱する。そのためにスターリン時代の新古典主義(これもプレコンでつくられていた)を廃止して装飾をはぎ取った。さらに数十あった建築規格を合理的ではないとして一つにせよと指示したとのこと。社会主義建築と言うのが中国でも大きなジャンル(スタイル)として議論されるのはまさにこういう政治的介入があるからなのであろう。考えてみれば社会主義国ではすべての社会資本は国の物なのだからこれほど国家を体現するメディアは無いわけである。しかし正直言うとそのあたりのソ連の建築は全く知らない。

February 1, 2014

留学生試験無事終了

午後大学院の留学生試験を行う。試験科目は英語、建築専門科目、即日設計、面接である。10時から3時半まで。受験者は今年は中国から1名。彼女は既に去年の4月から僕の研究室の研究生。大連理工大学の建築学科を卒業して日本に来てから3年間日本語を学びそして拙著『建築の規則』を読み、僕のところで学びたい思ったとのこと。日本人でもこんな学生は少ないわけでとても嬉しい話だった。去年一年間僕の授業は欠かさず出席。ゼミも出席率が高かった。製図の試験結果はなかなかどうして巧みなスケッチを描いておりその辺の日本の学生よりうまい。1年間研究室で鍛えた甲斐があった。試験前は連絡がとれずちゃんと受けるのだろうかと心配だったが、これで一安心。

二部卒業設計

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昼から理科大工学部二部建築学科の卒論と卒計の発表会。二部は論文と設計が選択制で今年は卒論が47題、卒計が35作品。二つの部屋で同時進行に発表が行われ常勤の先生は時間を決めてどちらかの部屋にいるように割り当てられている。加えて非常勤の先生もほぼ全員来られて採点する。毎年そうだが設計の採点者は作品数ぐらいいる。
論文はインフルエンザの一人を除いて全員発表できた。おめでとう。設計の方は提出遅れが数名いたが、発表できないのが一人ということでまあこちらもなんとかなったというべきか?設計の傾向はというとコンセプトで終わっているものが多い。さあこれから設計という手前で終わっている。これはとても残念である。他の大学もこの傾向が強いと懇親会で非常勤の先生が言っていた。来年からはもっと早く設計をスタートさせてほしい(と毎年思うのだが)。