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January 30, 2014

研究室ガイダンス

3年生が春からの研究室を選ぶための研究室ガイダンスを行った。午後一部の学生向けに、夜は二部の学生向けに行った。自分が学生の頃はこんなものあったのだろうか?なかったような気がする。そもそも篠原一男を目指して大学に来ていたから他の研究室など眼中になかった。だからガイダンスなどあってもきっと行っていなかったのだろうが。それで篠原研に行ったかというとそうではなかった。先ずは西洋建築史をやろうと思ったわけである。ところが当時東工大には西洋建築史の研究室が無くスチュワート研を創設したというわけである。昔は自由だった。

January 29, 2014

場所のAuthenticity

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都市には自由空間が必要でその自由こそが都市を活気づけると思っている。シャロン・ずーキン(Zukin, S.)内田奈芳美、真野洋介訳『都市はなぜ魂を失ったか』を読むとそれ以外にも都市を活気づけるものがあることに気付かされる。それは彼の言葉で言えば場所のAuthenticityと呼ぶべきもの。町の由来に基づく真正性であり個人と組織の相互作用によって生まれる社会的正当性の二つ。本書はそんなAuthenticity がニュヨークの中で生まれたり死滅したりするさまを丁寧に描写している。死滅する場合は往々にして大きな資本が入り込み元々あったAuthenticityをブルドーザーの如くはぎ取ってしまうときである。その後にはクリーンで高価な新しい空気が流れている。そしてそれは往々にして世界中どこにでもあるような、さえあれば手に入るような何かなのである。
魂を失わない都市をつくる(というよりかは守る)にはなんとしても経済原理で街を解体しないとことなのだと思う。丁寧なデヴェロップが必要なのである。

信大OBと飲む

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今日は信大OBと飲みました。中国に行った神山武智そして同期で独立して頑張っている新宮。皆頑素晴らしい。さてこれからどうするのか???ぼくも含めて21世紀に僕らは何を創るのか?よく考えたほうがいい。

January 28, 2014

ハウスメーカーの家

韓国の会社にいる友人が正月で一時帰国しているので会食した。話が家のことに及び彼があらたまって「家を建てているんだ」と言う。僕の友人は僕に家の設計を頼む人もいるが、彼は以前から奥方の作りたいように作らせたいので僕には頼まないと宣言していた。なので「ほーそれは良かったねえ」と頷き「工事は順調?」と聞くと基礎が出来上がったと言う。どういうところに頼んだのかと聞くと某ハウスメーカーとのこと。あれあれそれは奥方の好みにはできないだろうなあと思ったら案の定彼曰く「それがさあ、まったくの期待はずれなんだよ」と言う。そりゃそうだろう。何が不満か聞くと彼らはこちらの要求をそのまま何も考えずに図面にするし、いくつかの代替案と言うものもない。ふむふむそんなの火を見るより明らかだな。50センチの物が欲しくても50センチの部材がないから60センチに成ったりすると言う。それもまあ当然だな。まあそれでも安いからいいんじゃないのというとオプションオプションでちっとも安くないと言う。まあこれもよく聞く話だ。
そんなことを知らずに発注したお前が馬鹿だと言うと。買った土地がそのプレファブメーカーの建築条件付きだったそううだ。不動産屋さんからはご丁寧に条件付きですがいいですかと念を押されたそうだ。なるほどそれなら尚更自己責任だ。まあ彼は土地が素晴らしいから買ったのだと言っていたが、、、、それにしてもこの手の話はよく聞くのだが、それでも売れているのだから不思議なものだ。

January 26, 2014

この人その昔マティスの背中をみて衝撃を受けアーティストになったという

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朝から家人は出かけたようでシャワーから出たら誰もいなかった。午前中家でぶらぶらして新聞読んだり、本を読んだりテレビ見たりしていたのだがお天気がよく暖かくなってきたので午後ジムに行ってストレッチをした。ジムを出て家に帰ろうかと思ったが、エルメスギャラリ―の展示がいいと先日ダニエルが言っていたのを思い出し地下鉄に乗る。エルメスは丸の内線銀座のすぐそばなので便利である。ソニープラザには既にバレンタイチョコが並んでいる。
展示はフランスのクリスチャン・ボヌフォワ(Christian Bonnefoi)の絵画だが、透明な版(ガーゼだったりアクリルだったり)に塗ったり貼ったりなのでコラージュのようでもある。

January 25, 2014

23区の所得格差はニューヨーク並み?

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『都市はどんどんつまらなくなっていく』を読んだら橋本健二『階級都市』が気になった。昔読んだのだが。23区の所得格差が結構あるというのは知っていたが、それは2000年代にますます増幅しているのを再読して再確認。現在23区平均を1とすると最高の港区は約2.6最下の足立区は約0.6。4倍である。70年代は港区約1.6足立区約0.7なので約2倍。格差は倍になったということである。これって先日ニュースで見たニューヨーク並みである。先進国の中でも所得格差が深刻なアメリカの、、その中でも格差が大きいと言われるニューヨーク並みってちょっと驚きである。下町住民が蜂起して騒ぎ出さないのが日本ということか??

January 24, 2014

手術

皮膚に脂肪がたまりニキビのような物が数か月前に太腿の上にできた。放っておいたら少し大きくなってきた。その昔義母の喉におできのようなものができ、放っておいたら大きくなっていつしか癌になり帰らぬ人になった。小さなうちに切除せよと医者から言われたのに、忙しさと医者嫌いが悲劇を生んだ。そのことを思い出し、心配になって近くの皮膚科に行ったら「心配いりませんよ、気になるなら切ってもらってください医者を紹介しましょう」と言われた。
切除と言われてまた昔のことを思い出した。その昔やはりこんな脂肪の固まりが耳たぶの裏にできた。ニキビかと思ったのだが手術しますと言われた。新宿厚生年金病院の本格的手術室でビビッていたらものの5分で手術は終わった。今回もあの時と同じなのだろうと思ったら気が楽になった。「手術室」と書かれた部屋に通されたが予想通り手術はものの5分で終わってほっとした。しかしとった固まりを「病理検査します」というのでまたビビる。ただの脂肪の固まりじゃないのですか?と聞くと「脂肪ではありません」と言われた。「では何ですか?」と聞くとそれを調べるために検査をするのだと言う。とりあえず傷みがなくなったので楽になったのだが体に異変が起こるとちょっとしたことでも心配になる。歳のせいだろうか?

January 23, 2014

都心はどんどんつまらなくなっていく!!

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三浦展さんの『東京は郊外から消えていく』光文社新書2013は膨大な調査資料をもとに東京及びその郊外の意識調査を行っている。あまりに細かな統計資料が並んでいるので著者の理解には限られた時間からは到達できない気がするが、それなりに興味深い。特に自分の住んでいる場所のひとたちがどんな意識を持っているのか、周りからどんなふうに見られているのかも理解できる。
調査データーはそれぞれ納得のいくものだし、予想を大幅に超えるものもないのだが、その中でも一番納得のいったのは都心は住みやすいし便利だがつまらなくなってきたと言う指摘。都心に住んでいる僕としてはそれを実感するしますますそうなっていくことを危惧している。なんといってもそれを助長しているのは高層マンション、高層ビルの再開発である。これらが都心をますます均一で平坦なものにしているのは間違いない。なんとかならないのだろうか??

January 22, 2014

ジョリパットを大々的に使ったら賞をいただきました

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朝九時から金町で会議。大学にこんな早く来たのは理科大に赴任してから初めてである。というのも僕は二部の教員なので労働規約上の私の業務時間は午後3時から夜9時半なのである。とは言え会議は平気で午前中からあるし、昼間部の授業ももちろんあるし、大学院の教員でもあり大学院には夜も昼もない。ということはこの業務時間というものにはほとんど意味がない。
朝早く来たので午後は早々に大学を後にして事務所に。スタッフのT君がアイカの施行例コンテスト表彰式から帰ってきて賞状をくれた。オレンジ色の派手なジョリパット仕上げが審査員の目を惹いたようである。

January 21, 2014

都市のαスペース

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最近、都市の自由空間に興味がある。それもプライベートプロパティの中にあるパブリックな空間に興味がある。発端は去年のブエノスアイレスで行ったワークショップのテーマである「αスペース(住宅に公共的なもう一つの空間を挿入する)」だが、先日のアルゼンチン・スペイン建築シンポジウムンのテーマも都市の公共性ということだった。
都市の発生原理からしてスパニッシュな国と日本では大きな差がある。彼らは中央のプラザからグリッド状の広がりを形成するのに対して日本の都市は人々の集う広場というようなものは明示的には存在しない。道それ自体が人々の集う場なのである。
こんな議論は昔からあろうと思って調べると鳴海 邦碩氏が1982年に『都市の自由空間―道の生活史から』中公新書という本をお書きになっている。副題は道の生活史となっているが、道に限らず人々が集まって暮らす上で住居の外部には必ずや人々が集えたり遊べたりする自由空間が必要であることを訴えている。更に重要なのは広場や道など誰もが思い浮かべる公の場所に限らず公共、共有、私有のそれぞれの領域に自由空間がありそれをどのように生み出せるかを考察しているところである。そしてそれは先日ジョアン・ロイグ、も指摘していた。今重要なのは駅や空港の公共空間だと。しかしそういうそもそも公共性の高い場所がそうであるのは当然だし、駅や空港はそんなにたくさんあるわけでもない。もっと世の中にたくさんある施設に自由空間(αスペース)が欲しいものである。コンビニ、オフィス、郵便局、銀行、、、、、

たまった仕事に右往左往

WSで神楽坂に張り付いていたので久しぶりの金町。こっちはこっちで日常の仕事がたまっていく。その処理と対応で大わらわ。そして修士設計、修論の梗概を見る。さすがに一気に5つ見るのはしんどい。うーんまだこの程度か、、、大学から駅までの風がまた一段と寒い。11時ころ帰宅してかみさんと夕食。

January 19, 2014

大学って何だ?

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朝日新聞の日曜日版に隔週ついてくるglobeというペーパーがある。今週の特集は「大学ってなんだ?」。その問いの根拠はMOOC(Massive Open Online Course)の受講生が世界で1000万人を超えたというところにある。世界中の一流大学の一流授業がインターネットで受講できると言うわけである。こうなると大学のアイデンティティがどんどん薄れるではないか?よって「大学ってなんだ?」という最初の疑問に戻るわけである。
確かにコロンビアでやっているケネスフランプトンの建築史とバートレットのイアンボーデンの建築論をとれば僕の建築論もY先生の建築史もとらないでよいとなり、われわれもうかうかしていられないが一方で僕の建築論を取る学生は学内は0でも世界中で1万人現れるかもしれない。
問題はテスト。大学とは達成度を確認して卒業させる仕組みをとっているのだから、どこかでテストせねばならない。1万にの受講生をテストするのはとてもじゃないけれどできない。ただテスト一回ごとにテスト料を払うような仕組みをつくればそれも可能性は0ではない。トエフルみたいなものである。数学の○○、物理の××、などとやたらと共通試験がネット上に転がり、その合格証明書を持って来れば単位が発行されると言う時代がくるかもしれない。ここまで来ると本当に大学って何だ?ということになる。そこまで僕は生きているのかわからないが。

January 18, 2014

小川治兵衛の庭を見てきたので読んでみた

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先日京都に行った際に宿泊した亀岡の楽々荘は現在のトロッコ列車として有名な旧山陰線生みの親、田中源太郎翁の生家であり、敷地は1750坪。庭は小川治兵衛であった。行く前に読もうと思い時間が無く先ほど風呂につかりながら鈴木博之『庭師小川治兵衛とその時代』東京大学出版会2013に目を通した。読み始めてから75頁まで主人公は登場せず、ひたすら琵琶湖疏水の作成経緯が書かれ、次に山形有朋が無鄰菴を作りこの疎水を引き入れたと続きやっとその庭づくりに小川が依頼されたとして登場する。山形の仕事をしたことであっちこっちから引っ張りだことなる。
人によっては小川の作品の価値を哲学がないと言って認めない人もいるようだが、自然主義の庭に哲学などないだろうと思わないでもない。楽々荘の庭は庭の向こうに高層ビルが建ちあがり風情がなくなったが庭の奥から建物を見るとそれなりに素敵であった。

クリネタって知ってる?

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午前中事務所の今後について3人で話し合う。午後方南町のマンションのリノベ工事の出来上がりを見に行く。きれいに終わっていて一安心。夕方理科大のゲストハウスに行きダニエル、グレースに別れを告げる。このゲストハウスはとあるビルの7階にあるのだが眺めはいいし広いしきれい。今度ゲストが来たら皆こちらに案内したい。夜助手と南洋堂に行く。ラテンアメリカの本を探したがやはりそんなにあるものじゃない。帰りがけ「いつもブログを拝見しています」と買い物をしている方からごあいさつされた。ご購読ありがとうございます。
帰宅すると小さな雑誌が届いていた。雑誌の名は『クリネタ』別冊となっていてタイトルは「行かな!荒木町」見開きA4版、30ページの雑誌だが中身は結構よくできている。荒木町の写真、エッセイ、対談など。誰が作っているのかと奥付を見るとグラフィックデザイナーの長友啓典。ウエッブサイトを見てみると既に30号以上出ている。雑誌名のクリネタとはクリエィティブなネタという意味だそうだ。

January 16, 2014

やれやれ

配偶者が今朝書を書く準備をしていた。年末から年初にかけて外国からの客人を迎え制作がおろそかになっているように見える。僕もワークショップ優先スケジュールで動いていたので後に回せることをひたすら後回しにしていた。なので今日は後回しにしてたまっている仕事の山を少しずつ切り崩しにかかるそんな日となった。とは言ってもこれから年度末までに行う大きな山はこの二つのワークショップのブックレット作りである。客人が帰って一息つく暇もなくこれからも本番というわけである。

やれやれ。

January 15, 2014

着物をプレゼント

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ダニエルとロベルトを連れてリーテム東京工場に行く。日本のリサイクリングのち密さ、そしてそれをパブリックに見せるという建築コンセプトに感動していた。次に大桟橋に行く。スパニッシュアーキテクトの作品にプライドを持つかと聞いたら「別に」というのには、そうなんだとちょっとびっくり。東京に帰る途中、妹島さんの大倉山の集合住宅を見て芝浦ハウス(妹島さん)に寄る。この建物はみんなして深く感銘を受けた、というのも一昨日のシンポジウムで、これから重要なのはパブリックなパブリックスペースだけではなく、プライベートなパブリックスーペースだからだと言う話が出たから。芝浦ハウスはまさにプライベートなパブリックスペースであり、それはαスペースなのである、そのあと日本のビシャ(スラム街)を見ようということで山谷に行ったのだが余りにきれいで彼らはびっくり。四谷で夕食。お別れにグレースとフロレンシア(ダニエルとロベルトのワイフ)に着物をプレゼント。
2週間の長い建築イベントが終わった。いやーほっとした。そして充実した2週間だった。

レクチャーシリーズ

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アルゼンチンワークショップも今日が最後。今日はジョアン、ロベルト、ダニエルそれぞれの個別のレクチャーである。それぞれ自然、社会をテーマに興味深い話だった。やはり世界は広い。建築家がそこまでやるのかという刺激的な話だった。
最後に3人登壇して質問を受けるような形になったがふたを開けるとアルゼンチン対スペインという構図で激論となった。さらにジョアンがスペイン大使の夕食の招待を受け中座すると言うなんとも閉まらない終わり方。招待するなら3人とも招待すればいいのにとも思う。

January 13, 2014

都市の公共性、建築のグローバリゼーション、自然への作法

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午前中に午後のシンポジウムテーマレジメを日本語と英語で作る。午後ロベルト、ダニエルらと会い彼らを連れてセルバンテス文化センターへ。2時半にスペインの建築家ジョアン・ロイグが来て一緒にランチ。その後彼ら三人に英語レジメを渡し通訳には日本語レジメを渡し今日の話の説明をする。テーマは三つ。都市の公共性、建築のグローバリゼーション、自然への作法。これらを1時間半くらいで議論し、残り30分で質疑を受ける予定だった。のだが終わってみれば質疑なしですでに2時間が経過してしまった。7時からは2階の展示ホールにてオープニングパーティーが行われた。展示ホールエンパナーダが用意されていたのは実に懐かしいしワインはしっかりアルゼンチンだった。アルゼンチン大使夫妻も来られ会は盛大に行われた。

January 12, 2014

大学とは何か

吉見俊哉『大学とは何か』岩波新書2011の中で吉見は大学とはその起源において自由への意志を体現するものだったと言う。更にこれからの大学はもはや国民国家では支えきれない文化や政治を扱う場とならざるを得ないだろうと予告する。
教師も学生も都市を移動し国家を超越し、そしてその自由な意思を十分に自らの意志によって拡張できるようなそんな大学でありたいと僕は思っている。それ故に僕は面倒くさいワークショップやって、研究室を学生に解放する。しかし自由なる意志とはある種の制限や規律の中でこそその価値を生み出すものだと言うのもまた一方の真理である。そうした枠をはめるのも自分の仕事であろうと考えている。今年一年そんな気持ちで大学教員、建築家を続けていきたい。

January 11, 2014

英語で建築を話し続けた一日

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久しぶりに竜安寺、金閣寺などザ・京都を一周した。と言ってもタクシーと電車を乗り継いで外人4人を連れて歩くのは容易じゃない。その上一応ガイドらしきことをしなければならないのでいつもはもらっても真面目に読まないパンフレットに目を通して必死に説明する。そのせいかなるほどそうかと改めて知ることも多い。
帰りの新幹線では明後日のシンポジウムのこともあって真面目な建築の議論を2時間半途切れることもなく行った。ロベルトはどうしても建築の存在論(ontology)について語りたいという。一体それはなにかと聞く。それはその建築が成り立つ場所が持つ社会、文化との関係性であるという。サイトではなくプレースだと言う。そこから話は社会の非対称性になり、、、、つまりは建築はフォームではないというところに落ち着く。
ロベルトにそれは僕らが去年言っていたいことだよねと言うと、だから今年のワークショップではそのことを強調しているのだと言う。僕らの影響なのか????


January 10, 2014

修学院の自然

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午前中桂離宮10時、午後修学院離宮が15時という予約。宿のある亀岡を8時前に出た時はあたり一面雪である。桂も雪だろうかと心配したが快晴になった。晴れたのは良かったがその分また一段と寒い。初めて見る桂の雁行が増築でできたことを初めて知る。だから床にレベル差があると言うのも初耳だった。昼を清水あたりでとってから午後修学院へ。修学院が自然のフィールドの中に置かれた三つの離宮であることを知る。その自然のフィールドこそが修学院の醍醐味である。こんな構成は恐らく日本の庭でもこれくらいなのではなかろうか。僕の知る中でも一二を争う京都の素晴らしい風景である。

January 9, 2014

スチュワート先生、山道さん、塚本さんありがとう

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朝10時にアルゼンチン大使館の柏倉さん、国際交流基金の鈴木さん、ディビッド・スチュワート先生、塚本由晴先生、山道先生到着。東工大の留学生も10人くらいやってきた。加えてダニエル、ロベルト、私の6人が今日のジュアラーである。9チームが15分ずつプレゼン、クリティークをして12時半頃までにすべてのプレゼンが終わる。プレゼン、質問、答えは全て英語。学生は悪戦苦闘したが、まあよく準備したかな?月曜日に始まり4日間弱の作業でここまで来れたのはなかなか立派なものである。その後6人のジュアラーの投票で4チームが選ばれ議論。結果は得票数順となる。最優秀はスラムに極力触らず小さな削除と付加を巧みに行ったチーム2の案となった。ここの議論にもう少し時間をかけられたらよかったのだが、残念である。
1時から学生を囲みサンドイッチパーティー。最後にダニエル、ロベルトにコメントをもらい2時に無事終了。疲れたー。3時10分の新幹線に乗るべく東京駅に向かう。

January 8, 2014

アルゼンチン文化参事官との会食

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午前中ワークショップ二日目のエスキスチェック。昨日より格段に良くなっている。ロベルト・ダニエルも真面目に驚いていた。そして日本の学生は多様性があると言って褒めていた。それは僕も感じているのだが、アルゼンチンでは教師の力が強く、学生は教師の望みをかなえるような作品を作る。僕らは彼らのアイデアを伸ばしたいと思って接している。そのことをダニエルに言うと。僕を見ていると実そう思うと言う。そしてそれが教師のあるべき姿だと彼は言う。さて明日どういう作品が出来上がるか楽しみである。午後会議に出てから修士設計のエスキス。信大からも門井がやってきてエスキスチェック。事務所に寄ってから信濃町に。アルゼンチン大使館の柏倉さんとファビエルとロベルト、ダニエル夫婦と会食。実にフランクで楽しい食事だった。さて明日またファビエル、柏倉さんがファイナルレビューに来られる。楽しみである。

January 7, 2014

カフェで仕事

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午前中アルゼンチンワークショップエスキスチェック。9チームの熱気のある作業が続いているようだが、まだ頭の中が日本の常識みたい。もっともっとイマジネーションを働かそう。一体villaに住むのはどんな人たちなのか?一体どんな材料が使えるのか?何が彼らの生活を良くするのか?もっともっと人から考えないといけない。それはロベルトやダニエルが言っていたことである。今日は信州大学のスペイン語の先生橋本エリサさんがボランティアで松本から駆けつけてくれた。ありがとうございます。午後は9日のファイナルレビューに来てくれる塚本さんと荒木町でランチして彼の事務所(兼住宅)を見学。その後彼らを連れて表参道、根津美術館と行ったが美術館は未だ開いていなかった。夕方疲れてカフェへ。そこで皆一斉にIPADを開き本国との仕事のメール開始。なんだか1年前塚本さんとブエノアイレス行った時のことを思い出す。僕らも毎朝カフェに行って1時間以上無言でメール打ちまくっていた。

ブエノスアイレスのスラム矯正・再生ワークショップ

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朝9時に理科大でダニエル、ロベルトと待ち合わせワークショプオリエンテーションのおさらいをする。10時ころ学生がやってきてワークショップの部屋の机の配置を直す。ほどなくアルゼンチン大使館の文化部参事官バビエル・ギリシェフスキと柏倉さんが到着。10時半からダニエル、ロベルトのオリエンテーションレクチャー。参加者は全部で40名。
今回のワークショップのテーマはブエノスアイレスのvillaと呼ばれるスラム街の再生更生である。こんなテーマは大使館としてはあまり面白いものではないだろうと思ったがダニエルたちのレクチャーに対して、大使館側はとても真剣に意見してくれた。話は世界の政治、経済にまで発展する勢いでとても高尚な(高尚過ぎる?)ものになった。1時半頃大学を出て御茶ノ水駅でスープを流し込み金町に向かう。宅急便で届いている展覧会パネル80枚強を開けて展示の順番、設置位置などを確認する。夜は我が家にロベルト夫妻、ダニエル夫妻を招いて夕食。日本で飲めるアルゼンチンマルベックにロベルトはご機嫌。

January 5, 2014

スチュワート研大集合

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スチュワート研新年会。学科長だった篠原先生の計らいで1983年と84年の二年間だけ東工大に存在した研究室である。というわけでこの研究室から巣立った学生は僕の同級生が3人、下の学年に2人。全員で5人しかいない。こんな研究室は日本中見てもそうあるものではないだろう。人数が少ないので血の結束力を持っている。というのはまあ嘘だが、仲は良い。5人のうち一人はシンガポール、一人は北海道在住なのだがこの1月5日なら集まれるということでニコ玉のスチュワート家に大集合。その昔卒論を書いている時、しばしば訪れたスチュワート家でまだ赤ちゃんだったタケル君はもう30を超える。名門メルボルン大学で考古学を勉強したのだが、なぜかその後サンフランシスコの設計事務所で働き、ワシントン大学に行って建築の勉強中。ここがアメリカのいいところ。一生勉強する環境がある。

January 4, 2014

資本主義以外に我々は考えつかないのだろうか?

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水野和夫・大澤真幸『資本主義という謎―「成長無き時代」をどう生きるか』NHK出版新書2013を読んでみた。世界は近代に入り大きな壁に向かって進んできた。スタートした時に壁があると分かっていたわけではないのだが、21世紀に入りその壁は明らかに存在していると実感できるようになってきた。そして日本のように既に壁にぶつかった国々が多くあり、中国のようにまだ壁までだいぶ距離がある国もある。元気な国があるうちにはまだなんとなく世界も活気づいているように見えるのだが、皆が壁まで来たら世界はどうなるのだろうか?皆がそういう疑問を持っているはずで、その疑問へどう答えたらいいのかそのヒントがあるかもしれないと思い読んでみたのだが、まあそんな答えが一冊の新書を読んで分かるようならだれも苦労はしないということが分かった。
それにしても経済音痴な僕としては、どうして50年前も今も我々は同じような努力をしているのにもかかわらず、その努力が報われたり報われなかったりするのだろうか?なぜ資本主義以外の経済システムは考えつかないのだろうか?といつも同じようなところを堂々めぐりしている。

January 3, 2014

読み応えがありました。

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今年の正月は欲張らずこの本だけ読もうと選んだのが、エズラ・F・ヴォーゲル益尾知佐子・杉本孝訳『現代中国の父 鄧小平』日本経済新聞出版社(2011)2013である。上下巻合わせると1000頁を超える大部の書である。著者のエズラ・F ・ヴォーゲルはご存じのとおりJapan as number oneの著者であり、アメリカのアジア研究の第一人者である。
鄧小平については以前 矢吹晋『鄧小平』講談社1993を読んで気に入りこの話題の書が日本で出版されてすぐに買って積んでいた。彼のどこがいいと言えばやはりこのリアリズムにある。毛沢東が原理主義的でありその弟子である鄧小平ははるかに現実主義である。僕自身は原理主義的にモノを考える部分がある一方で原理主義だけでは物事が進まないと考えている現実主義者である。その意味で鄧小平は人生に多くの示唆を与えてくれる人である。一方で文化大革命を毛沢東の責任とするのではなく、死ぬまで権力が一人の人間に集中してしまう政治システムの問題と捉え得た割には自らの政治権力を80台まで維持したのは少し長すぎたのではないかとも思っている。彼に気に入らないところがあるとすればそのくらいかもしれない。

January 2, 2014

2日恒例の新年会

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三軒茶屋の中華料理屋でニューヨーク帰りのミュージシャンHiroと銀座のママjunkoさん(joke)とスリーショット。この後飯田橋でダニエル夫妻、ロベルトン夫妻と会う。田谷君ご苦労さん。よかった無事彼らが理科大宿舎に到着。

January 1, 2014

元旦はライトなお節

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新年あけましておめでとうございます。今年の元旦は比較的暖かく、天気も良く穏やかです。年賀状をエントランスの郵便受けに取りに行った後、ライトなお節と雑煮を食べました。お屠蘇は皆で梅酒を一なめ。その後兄家族と親父とで母親の墓参り。これが恒例です。昼はこれも恒例、吉祥寺でフグ。さすがの吉祥寺も元旦は空いていました。