インテリアデザインと建築の境は?
今村創平さんからこの本を頂いたのは去年。年末年始の忙しさでとてもこの大部の書を開く時間が無かったのだが、やっと一段落して読み始めた。タイトルは『インテリアデザイン史』(オーム社2013)である。インテリアデザインとは何かと昨今考えたことはないのだが、その昔一度だけ真剣に考えたことがある。それは学部3年生のいくつめかの課題が倉又史郎によるショップのインテリアだったからである。その時の結論は「建築は構築、インテリアは現象」というものだった。しかし今考えてみるとそれは浅はかで、建築だって現象するしインテリアだって構築が要るわけである。しかしそれはやはり程度問題。インテリア、特に店などにおけるそれは一つのイリュージョンでさえあるのだろうと思われる。インテリアと建築の境界なんて考えることが愚かとも思えるがしかしその職能も業態も未だに少々異なるのは故なきことでもあるまい。この本はそんな何かを明らかにしてくれそうである。