上野で焼き芋
上野にバーク・コレクションhttp://www.tobikan.jp/museum/burke.htmlを見に行く。昨晩は行かないと言っていた妻が今朝気が変わったのか一緒に行くと言ってついてきた。道すがら辻惟雄の『奇想の系譜』を二人でぺらぺらめくりさてこれらがどのくらいあるのだろうと考えながら上野公園を横断。書家の妻はバークより国博でやっている「書の至宝」を先に見たほうがいいよと言う。あっという間に超満員になって見られなくなると言うのだが、あちらは開館が9時半でまだ入れないのでとりあえず、バークに入館。
正直言うと、前半半分はまったく面白くない。かみさんも同意見。その上「よく日本の芸術がアメリカに買われたことを嘆くけれど、見る目がないから、本当にいいものは日本に残ってるのよね。」と知ったようなことを言っている。でもそうかもしれない。ただ後半は面白い。それこそ奇想の系譜。その中でも、蕭白は圧巻である。ポスターにもなっている石橋図(1779) は一見の価値あり。谷に突き落とされた子獅子を橋のたもとから眺める親獅子の間抜けな表情が実に愉快である。また美しさという点では始めて見た酒井抱一の「桜花図屏風」(1805頃)は保存状態もよく、金屏風だが下三分の一に銀が貼られ酸化して黒ずんでいるところが琳派とはいえども一味違う味わいだった。
バークに結構時間がかかり、疲れた。帰ろうと思ったところに、かみさんが「私はここでランチしているから書を見てきて」というので元気を振り絞って国博へ。案の定超満員ラッシュアワーであった。音声ガイドを借りて主要なものだけ駆け足で見ようと思ったのだが、既に最初の王羲之が3列くらいの人垣で見えない。三蹟(小野道風、藤原佐理、藤原行成)はやっと背伸びして視界の中にいれ、国宝である空海の風信帖は少し粘って見る。寛永の三筆(近衛信、本阿弥光悦、松花堂昭乗)あたりになると人の流れが乱れていてちょっと待っていると隙間ができてよく見ることができた。近衛の字はなかなか好みである。
ああ疲れた。今日は天気がよく気温も比較的高い。上野公園で焼き芋買って食べながら帰宅。