« November 2016 | メイン | January 2017 »

December 31, 2016

ブエノスアイレス(GOOD AIR)TOKYO

FullSizeRender-71%E6%B1%9F%E6%88%B8j%E8%A1%A8.jpg

早朝日本に戻る。夜行列車で帰ってきたようなものだけれど、時差3時間は実に楽である。夜行の疲れなど微塵もない。
選択して風呂に入り、溜まったメールに返事する。ここまできたら今日返そうが明日返そうが、明後日返そうが同じだろうけれど、気は心。返送すべき郵便も結構ある。それでやっとネパールの次回プレゼンの枠組みをパワポで作り、それを関係者に発信。これでひと段落と言いたいところだが、年明け10日まで使えないのでその後起こる様々なことに今から準備しなければならないことがいろいろある。その一つが翻訳である。今度は分量が半端ないから毎日少しずつ進めないと自分の英語力では歯が立たない。それでもここ2日間体調不良で運動していないので自転車で皇居一周。先日のダッカや今回のカトマンズなど東南アジアの都市から帰って最初に思うのは空気がきれいだということ。彼らがまずすべきことは空気と水をきれいにすることだと思う。

さて今年一年を振り返り思うこと。今年は以前にも増して多くの国に行きレクチャーしたり、シンポジウムで議論したり、国の仕事に関わったり、また国外の方を日本に呼んでレクチャーやWSをしていただいた。一段と日本を、そして自分を相対化することになり、そういう状況がますます建築を社会的な産物として浮き彫りにした。「建築の条件」で考えていることを補強する状況証拠が増えつつある。しかしそんな状況だからこそ建築の建築らしさが求められているのである。ということも世界を歩きながらつくづく感じた。自分の説明においても一番理解されるのは私が一番やりたいことをケレン味なく語る時である。建築らしい建築にぼくは感動し、武者震いをしてまた建築を続ける気力がわいてくるのである。単なる社会の産物である建築にはこれっぽっちも興味はない。そういう建築は前世紀のゴミ箱に捨ててしまおう。ぼくらは建築を作るのである。時流に乗る言葉はいろいろある。そしてそういう時流が全部不要なわけではない。それぞれそれなりの深い意味を持っている。しかし一番大事なものはそこにはない。

December 30, 2016

see you soon

FullSizeRender-71irioiro.jpg
ネパールはこれまでの海外出張では最もタイトだった。連日視察、訪問が4つ5つあり、年末の疲れが積み重なって3日目は完全ダウン。とは言ってもホテルで寝てることもできず、とにかく視察、訪問に連れまわしていただく。風邪なのだが、胃が荒れて風邪薬を飲むと吐き気をもよおす最悪な状態。さすがに移すとまずいだろうということでその夜の副首相、市長、大使、国会議員との会食は遠慮させていただいた。こちらも4人しかいないので一人減るのはかなり失礼なことなのだろうがご容赦。
そのおかげで最終日は体調回復。再び復興庁に行き事務次官とうちあわせさせていただいた。さすがに官僚トップは的を射る。しかし今回の打ち合わせ全体から感じるのは1年半たってこれか?という遅さ。そして実行プランがまるで見えない。計画の計画性が欠如。省庁間の責任範囲が曖昧。ゴミ処理を誰がやるのかと聞いたらグレーゾーンだと言うのにはちょっと驚いた。
とはいえ。大使が言うようにこの国の一番いところは安全であり、平和である。汚くて、うるさくて、くさいけれど人々は生き生きしている。これに勝る人間社会あるだろうか?
さよなら愛すべきネパール。また2月。

December 29, 2016

市長に相談

IMG_4575s%E3%81%A1%E3%82%85.jpg
IMG_4626%E5%BF%9C%E6%80%A5.jpg
朝市役所へ行き市長さんと面会。とても若くて穏和な感じの方だった。一体カトマンズ市の中でどの地域をモデルとしてマスタープランを作るべきか尋ねる。全部で5地域くらいが候補にあがり、それらをしらみつぶしに午後見たが結局全部を見ることは無理。この荘厳な建物は上部2層がもげ落てしまった。この辺りはさらなる倒壊が起こらないようによこからつっかえ棒をしている建物ばかり。体調不良で今晩の市長、大使、大臣たちとの晩餐会は欠席してホテルに戻る。

December 28, 2016

超ハード


IMG_4511%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%88.jpg
IMG_4507%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F.jpg
FullSizeRender-68%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%A9%E3%81%93%E3%82%8D.jpg
siyakusyoIMG_4530.jpg

朝復興アドバイスをお願いされた3つの都市の一つであるGOLDHUNGAに行く。昨日のSANKHUとは異なり山麓の自然が豊かな場所である。やはりここでもコンクリートの骨がない建物は軒並み半壊。
その後復興庁に行きunder secretaryから話を聞く。震災後1年半経つけれど仕事は進まない。自分は1日12時間働き土日もないのに、、、と最後は愚痴。
昼は在ネパール日本大使館の小川大使と昼食をとる。ネパールに住んで3年経つが住みやすく安全な街だとおっしゃていた。
午後カトマンズ市役所でグリーンカトマンズプログラムの話を聞く。ちょっとまだ未完という感じで拍子抜け。その後考古局(日本の文化庁のようなところ)で次官から保存の様子を聞いた。そのあともう暗いが復興アドバイスを依頼されている3つ目の街KOHKANAへ向かう予定だったが、自分だけ体調が悪くホテルに戻る。

歴史地区の被災

IMG_4431saku.jpg
IMG_4415%E3%82%B5%E3%82%AF.jpg

本日は朝連邦開発局に行き。日本からの援助を期待する3つの地域とその地域を選んだ理由の説明を聞いた。さらに地域局の方からその地域のこれまでの歴史的建造物保存の計画と地震による被害について説明を受けた。1数100棟の建物の80%の建物が全壊半壊の被害を受けている。3300年の歴史を持つサクというこの場所で多くの4階建ての建物は4階3階が倒壊し2階建てになり20世紀の鉄筋コンクリートの軸組のある建物だけは残っている。午後17キロ離れた現場にバスに揺られて到着してみるとまさにそんな感じである。しかし外聞空間は密度といいシークエンスといい少し直せばとてもいい場所になるはずである。それにしても埃っぽい。

December 26, 2016

カトマンズ到着

IMG_4366%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%8C%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%A9.jpg
バンコク経由カトマンズに26日昼に到着。飛行場が混んでいてしばし上空で旋回してから着陸。ホテルに着いたら3時くらい。今日は何もないと思っていたら。早速ミーティングがあり、リーテムが共同しようとしているメンバーでその中にはヒマラヤ銀行の頭取がいた。なかなかの親日家でとても信頼できそうないい人であった。
カトマンズは丘あり谷ありの楽しい場所。ダーティー(泥っぽい)のがたまにきず。震災瓦礫が街を汚くしているのであると説明されて納得。泊まったホテルはシャングリラ(あのシャングリラとは関係がないらしい)。もともとイギリスコロニーなのでブリティッシュクラブの雰囲気なのだと一緒に行ったドイツのエコエンジニアのアンドレアスが説明してくれた。

December 25, 2016

メリークリスマス

IMG_4327%E3%82%AAB%E3%82%82%E3%81%8D%E3%81%88%E3%81%A6.jpg
OBによる修士設計デザインクリティークを聞きながら、いい指摘だなあと思いつつ。ああそうかまだまだダメだなということがいろいろわかってきてまた気を揉む。でもまあ仕方ない今年も今日でとりあえず大学は仕事納めにいたそう。というわけで皆で乾杯。今日きてくれた先輩たちには本当に感謝したい。でもこれは恒例にするので来年も宜しく。


坂牛研修士設計デザインクリティークin Xmas

image.jpeg
坂牛研、クリスマス修士設計デザインクリティーク進行中。金沢、中岡、山下、奥田、福尾、本田、中東、半田、宇佐美、OBたちの鋭い指摘に学生たちも感じるところがあるだろう。それにしても、ちょっと前まで未だひよこだった彼らが、それなりの指摘をできるようになったのが嬉しい。

December 24, 2016

スチュワート研Xmas

sutyuwarIMG_0659.jpg
すったもんだの末、日時を今日の昼に定め、小沢の教授昇進祝いをしようという矢先に大雪。小沢、雪の北海道から脱出できず、主人公なしの普通の忘年会を行う羽目に。久しぶりに筑波を退任された鵜沢さんが来られ、SFCの小林博人教授がこれから新しくこのスチュワートファミリーの仲間入り。
大統領選の話はしたくなかったけれどそうなると共和党支持のスチュワートさんはとにかくヒラリー大嫌い。理由はヒラリーでは何も変わらないというわけである。うーん細かく話し出すと時間がかかるし、面倒くさいので話題を変える。
お店は品川のオイスターバー、牡蠣の種類が8種類くらいあり一つ一つに名前が付いている。ワシントンの牡蠣なのにkumamotoなんて付いているのはなぜか?アメリカの牡蠣のすべてのオリジンは日本なのだそうだ。
内装はグラセンの真似でで気分はアメリカ。鵜沢さんのイタリア以外、6人のうち5人がアメリカの大学院を卒業。イェール、ハーバード、コロンビア、ペンシルベニア、UCLA。アメリカでもそうない感じだな。
たいそう食って飲んで一人4000円は安い。その分サービスも悪い。

December 23, 2016

今年最後のクリティーク

href="http://ofda.jp/sakaushi/diary/uploads/FullSizeRender-67%E3%81%AF%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%82%8A.jpg">FullSizeRender-67%E3%81%AF%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%82%8A.jpg
3年生後期の最後の課題。先生は竹中の帽田さん、高橋堅さん、渡瀬正記さん、構造の横山太郎さん、そして坂牛、常山。ゲストは元新建築編集長の中谷さん、とロベルト。皆の投票で最優秀になったのは鳥海さんの針金のような構造にならないような部材を沢山もってきて構造にするというアイデアである。さらにロベルト賞も中谷賞も鳥海さんであった。短い時間で一番いいのにしようと思うとわかりやすい案に引っ張られる傾向があるのかもしれない。他にも面白い案はいろいろあった。賞を取れかなったからといって気を落とさないでほしい。考え続けていればいつか報われるのである。

Sustainable Habitat final review

henkasuruke.jpg
●内田、中村、変化する木パネル 坂牛プライズ
tawa----.jpg%E4%BB%96%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0.jpg
● 山本、三田、ベッドタワー ロベルトプライズ
minaminaws.jpg
● お疲れ様

4時からワークショップファイナルレビュー。その成果は今までワークショップの中でも最も良いものとなった。その理由はいくつかある。一つは課題が1週間のWSに丁度良い分量だったこと。二つ目はスラムに実際にある家を対象としたものでリアリティがあったこと。三つ目は3年生と院生を組ませたことで二人の役割がうまく機能したこと。四つ目は僕らの指導が的を射ていたこと。短期決戦なのでいろいろなことがうまく回らないと良い結果は出せないのだがそれらがある意味偶然うまくいった。
ロベルト賞は10人の家族のために10個のベッドが入ったベッドタワーをつくる提案。小さなプライベートスペースをつくる事でカオスに秩序をもたらそういう案。坂牛賞は木の壁パネルと屋根パネルで家族の変化に対応する増減築可能な家の提案。どちらも質、量ともに秀逸だった。

December 21, 2016

サステイナブル・ハビタット

IMG_4241sisutemu.jpg
ロベルトワークショップ3日目エスキース早いもので明日はファイナルレビューである。毎回このワークショップのエスキースチェックは楽しい。その理由は
1) 異国の建築家と一緒にエスキスチェックしながら新たな知恵を授けられるから。
2) 日本では考えつかない新たな課題を出してくれるから。
3) 短期間でやる集中した作業によって進展が目に見えるから。
4) 二部3年生と院1年生という年の差のあるコンビがうまく機能しているから。
サステイナブル・ハビタットというタイトルのこのWSはアルゼンチンブエノスアイレスの隣の市であるサンマルチンのスラムの実際の家を木造のシステムによって増築させようというものである。この案のレンガ色のところは既存の躯体でありそれに木の2種類のパネルによって必要に応じて増築可能であることを示している。明日の最終形が楽しみである。
この成果品も来年6月にセルバンテスインスティチュートで行う、EU Japan 建築国際会議「ブルーアーキテクチャ」展に展示することにしたい。

December 20, 2016

建築被覆(服)論

IMG_4237zennpa.jpg
ゼンパーの著書は未だかつて翻訳されていないと思っていたらありますよと天内君が教えてくれた。ついでにフィドラーまで付いている。フィドラーの論考はこんな短かったとは知らなかった。ゼンパーの論考は建築芸術の四要素。それらは炉、土台、囲い、屋根でありここ(囲い)から建築被覆論が登場する。そしてウィグリーのファッション(被服)と建築の話へとつながるわけである。

December 19, 2016

悲しませないで

師走の頃になると先生は走るというより焦る。一体これで卒業できるのだろうか?こっちはとにかく尻をたたかねばならないから「こんなんじゃ卒業させない」なんて云ったりする。しかしこれだとどうもパワハラ、アカハラになるらしい。本音はそうでもそう言ってはいけないらしい。それで先日宮さんに聞いてみたこういう気持ちになったら宮さん何て言うの?そうしたらこう言った。「この調子だと卒業できないかもしれない。そうしたら私悲しいわ!」そこで僕も真似することにした。「このままだと君悲しいことになるよ」悲しいことになる人が一人でも減ることを後は神に祈る。

信大集合

15590078_10211311657005388_6354895680476774654_n.jpg
ブエノスアイレス大学に留学した4人の信州大学の教え子が集まった。3学年に亘ったが毎年2人か二人アルゼンチンに行ったのは学費が無料で物価が安いという理由はあるにしても彼らの気持ちに負うところが大きいと思う。地球の裏側から毎年学生がやってきてその学生たちが集まってくれるってこれは教師冥利に尽きる。でも彼の人柄のなせる技。

December 18, 2016

翻訳始まる

本日から始まった次なる翻訳。訳本はマークウィグリーの『White Wall, Designer Dresses the fashioning of Modern Architecture』MIT press 1995 である。400ページを超える大部の書であり晦渋な表現の連続。でも面白い。モダニズムの歴史は作られたものであることを白い壁を軸に語るものである。ムテジウスを見る目が変わった。

December 17, 2016

ロベルトとスモールトリップ

IMG_0654bitonn.jpg
ロベルト夫妻と朝会いhujiwalabo設計、構造小西さんで代々木にできたコーポラティブハウスのオープンハウスに伺う。信大時代の片岡君や自分の研究室の現役OB佐河君など多くの人に出くわす。担当は坂牛研OBの堀江君。コーポラティブハウスは普通の集住と違い一住戸ずつクライアントがあるせいか設計の密度が高く見える。
その後表参道のルイヴィトンでピエール・ユイグの映像アートを見る。裏原宿通りのカフェでランチをとる。

December 16, 2016

テラス

image.jpeg
テラスのライトは部屋を広げる。夜帰宅して配偶者がいないと照度センサーで点灯したライトで浮かび上がった草木に出くわす。そんな時はしばし電気をつけず外部の光を楽しむ。

テラス

image.jpeg
テラスのライトは部屋を広げる。夜帰宅して配偶者がいないと照度センサーで点灯したライトで浮かび上がった草木に出くわす。そんな時はしばし電気をつけず外部の光を楽しむ。

December 15, 2016

ワークショップスタート

IMG_4174%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88.jpg
ブエノスアイレスの隣の市であるサンマルチンのスラムの中の建築プロジェクトが今回のワークショップのテーマ。既存の建物の改善プロジェクトだが、基本は現状の問題を解決して木の構造でサステイナブルな新たなフレームを安くつる方法を提案せよというのがこの課題。安くそしてシステマティックで80平米以内に今の問題を解決しなければならない。僕も昨年ブエノスアイレスのスラムは見てきたがこれはまた違うスラムなので皆生することはまた違う。さて明日何が出てくるか楽しみである。

中国の学生の質

FullSizeRender-66%E4%B8%AD%E5%9B%BD.jpg
10月頃から連続して3つのポートフォリをが中国から送られてきた研究生になって大学院に来たいというリクエストである。それぞれ同済大学、中国美術学院、天津大学出身でそのポートフォリオの質が高いので驚いている。デザインの質もさることながらおそらく4年間くらいに渡る大学の作品をもう一回描き直していると思われる。日本人のポートフォリオはその時々のドローイングや模型のクオリティが出るのだが、彼らのそれは完全に一貫したクオリティで作り直しているのである。建築家の作品集を見ているような感がある。あまり褒め過ぎても仕方ないのだが、大学卒業したばかりのポートフォリのの質としては日本の学生のものより高い。

December 14, 2016

疑心暗鬼

IMG_4151oriba-suto-n.jpg
独立戦争を読み、南北戦争を読みそして20世紀を知りたく『オリバー・ストーンの「アメリカ史」講義』(オリバー・ストーン&ピーター・カズニック、夏目大訳)を読んでみた。昨日のロベルトの強制収容所を生み出した軍事政権がアメリカ政府のてこ入れでチリの次に作られたことが書いてあった。それを遡ること10年アメリカはキューバーを認めたブラジル政府を転覆して軍事政権としていた。これに反発したアジア諸国の中で最初に目をつけられたのはインドネシアのスカルノで対抗勢力のスハルトを持ち上げ、100万近くの人々を史に至らしめた。これはベトナム戦争の陰にかくれた20世紀最大の大量虐殺である。
アメリカ憲法には国民自らが武装して自らを守れと書かれている。この国のトップは常に疑心暗鬼となりまだ見ぬ敵を追い払おうとする。この大国の小心が建国以来この国を支配してきているのである。そして世界中で世界の警察のふりをして自国に不利になりそうな気配を感じてはその消火にあたる。そしてその消火が逆の攻撃を受けそしてまた消火に出向く。トランプもまた同じことをするのだろうか?同じ地球の人間であることを今一度考える器量はないだろうか?

記憶と建築

15492441_10211248906156656_7838719845446033234_n.jpg
15380411_10211248906756671_739881513784634547_n.jpg
FullSizeRender-66.jpg
ロベルトのレクチャーを葛飾キャンパスで行う。80人くらいはいただろうか。盛況だった。記憶をテーマに彼の二つの作品、移民の博物館と、強制収容所の記念館を説明してもらった。かれはこのテーマで博士論文を書いている。内容はとても深く学生たちにその話がどこまで通じたかわからないが、記憶に残るレクチャーにはなったと思う。日本では考えられない歴史と対峙した建築作品だった。

December 12, 2016

記憶の構築物

%E4%BB%AE%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC.jpg
ロベルト・ブスネリは昨日付き、今日は都内の建築見学中。明日理科大で一般向けのレクチャーを行う。タイトルはMemory in the Construction of landscape and Architectureである。これはアルゼンチンが軍事政権時代に作られた強制収容所の一つを記念碑として建てもの丸ごと保存したプロジェクトについてである。このプロジェクトは国家的なコンペでロベルトとその親友でアルゼンチン建築博物館の館長だったエルナン・ビスマンが勝ち取った仕事である。
南米のほとんどの国はアメリカの裏工作で政府がアメリカ寄りに転覆されほとんどが軍事政権となった。そしてそれに反対する国民は強制収容所に送られ拷問を受け仲間を白状させ挙句に飛行機から海に捨てるということをしたそうである。アルゼンチンでは30000人がそうして行方不明となった。遺体がみつからないのであくまで行方不明なのである。
彼らのとったデザインは建物には一切触れずガラスと鉄をインスタレーションしながら空間とサインを作っていったのである。まさに過去の構築物が持つ記憶の継承なのである。
https://www.youtube.com/watch?v=iQVUJs1A3qY
僕は去年学生とこの建物を見てきたが明日は更にもう一つの記憶のプロジェクトを見せてくれるとのことである。楽しみである。公開レクチャーなので是非ご参加を。

December 11, 2016

24時間ワープ

IMG_4124%E5%AE%AE%E5%AE%AE%EF%BC%92.jpg
坂町アトリエ合宿は一泊して朝食を食べて掃除して水抜きしてゴミを捨てて直行東京で13時に到着して終了。ぴったり24時間である。午後は仕事をして、夜神楽の警備室行って、鍵を借りてロベルトを迎えてゲストハウスに案内する。前回シルベルファーデンが泊まったところである。

坂町アトリエ合宿

IMG_4118%E5%AE%AE%E5%AE%AE.jpg
OFDAとスタジオ2Aの建築合宿を宮さんの処女作で行う。20年前の建物だが元気である。夜は那須牛を食べながら美味しいワイン。坂牛の南米スライドを披露。

December 10, 2016

建築はスポーツである

今日は2部の遅れた卒計の中間発表を聞いた後一部のうちの研究室の3人の卒計の話を聞いた。一部はちょっと前まで卒論書いていたので2ヶ月で卒計やらなければいけないので部が悪い。その上彼らの考えていることが稀有壮大だしで考えがまだまとまっていないので今日の話の時点ではかなり出遅れている。まあそれでも卒計なんていうものはスタートダッシュして途中も走って最後も走る。結局スタートが良くてずっと走れるやつが勝つのである。400メートル走みたいなものである。100メートルは無呼吸で走らなければいけないけれど400メートルはそうはいかない。呼吸はするけれどペース配分なんてない。ずっと走る気力と筋力と持久力である。つくづく思うけれど建築はスポーツである。

December 9, 2016

大学院の製図

IMG_4041%E6%AD%8C%E8%88%9E%E4%BC%8E%E5%BA%A7.jpg

大学院生図の講評会。最後に皆濃い案を持ってきてれて嬉しかった。この製図は日本設計の大野さんと佐々木さんに指導いただいたのだが、少ない人数でも設計やりたい人が集まったいいスタジオになった。それを可能にしたのは日本設計の二人と助教の岩澤さんのこまめな助言があったと思う。皆さんご苦労様。

December 7, 2016

建築グラフィクス in English

FullSizeRender-65%E8%8B%B1%E8%A8%B3.jpg
『建築プレゼンのグラフィックデザイン』をウィーン、タイ、チリなどでプレゼンしたところ殊の外大きな反響だった。是非英訳して欲しいという話がどこでも起こった。全部やるのは大変なので、少し削りながら、事例も3分の2くらいにして4月から翻訳家の小西建さんの力も借りながら英訳をした。その上で再度中野さんにレイアウトしていただきやっとたたき台が出来上がった。以前に『建築の規則』のサマリーを英訳したのでこれはそれに続いての著書の英語版ということになる(だろう)。現在校正中であり、その後なんらかの形で海外に発信する材料にしようと模索中である。

December 6, 2016

アーユルチェアー

4843394764_ce6ccdfa17_z.jpg
だいぶ長い間使っていたアルキャストの革張りオフィスチェアーのジョイントが割れて壊れて修復不能になってしまった。つなぎでアリンコチェアを使っているがやはりどうも腰のあたりがフィットしないので書斎の小さいスペースに入り、アームがなくて、回転してキャスターが付いていてなおかつ腰にいい椅子はないかとだいぶ探していたがやっと一つ発見したのがこのアーユルチェアである。形はなかなか腰に良さそうだし小さくて書斎でも邪魔にならなさそうだがさてどうだろうか?誰か使っている人がいたら使い心地を教えて欲しい。

December 5, 2016

image.jpeg
ある日、radio americaが突如入らなくなった。仕方ないのでradio ukと言うアプリをダウンロードした。するとradio America 同様100局を超えるイギリスのラジオ局が登録されている。BBCだけでも70局近いのには驚く。

December 4, 2016

百人一首

FullSizeRender-64%E7%99%BE%E4%BA%BA%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%83%E8%87%AD.jpg
新宿の歌舞伎町のゴジラの載っている建物を初めてみた。昔コマ劇場があったところである。歌舞伎町のメインストリートの正面にありゴジラが靖国通りから良く見えるそしてその正面に大きな口を開けたようなエントランスがありエスカレーターが3回くらいまで一気に上がりそこはTOHOシネマズである。そこでメリルストリープと僕の好きなヒューグラントが演じるマダムフローレンスを見る。ヒューグラントうまい。もちろんメリルストリープもうまい。帰り道花園神社の骨董市を覗いた。配偶者が百人一首に目を留めて骨董屋の親父と交渉中。「いくら?」「1万円」「5千円」「5千5百円」Done。瞬時に半額になった。お見事。小さなスペースに字を入れるレイアウトの見本だそうだ。
今日は暖かい。

非常勤講師御苦労様会

FullSizeRender-63%E5%AE%B6%E5%85%B7t%E3%82%89.jpg
建築学科の非常勤講師の懇親会を神楽坂の食堂で行った。去年まで葛飾の食堂でやっていたのだが葛飾だと遠くて来づらいだろうということで神楽に場所を変えた。すると例年より参加者が20名増えて70名になった。盛況で2次会も一品香で行いここにも30名近く来られた。主任としてはとても満足。

December 2, 2016

南北の戦い

image.jpeg
ロバート•ベン•ウォーレン留守晴夫訳『南北戦争の遺産』圭書房2011 を読んだ。トランプが勝ったこの国は南北戦争を知らずして理解不能と思ったからである。誰かがアメリカは未だに南北戦争をしていると言っていたが、僕はむしろ戦った後の彼らのノーサイドの発言に少々感動していた。そのあり方は正に南北戦争で徹底して相手が降参するまで戦う信念と、勝敗が決した後はお互いを尊重した姿勢と同じなのであろう。
北軍を勝利に導いた、リンカーンは徹底したプラグマティストでありアメリカ哲学の潮流を実践した。きっと戦いを怨恨にせずにゲームにできだからこそ勝利は爽やかに獲得できたのではないか?何れにしても、相手を皆殺しにするようなことのない説得の精神を是非現代においても継続していただきたい。

足が美しい

IMG_3999jacob%20and%20josef%20kohn.jpg
ウィーンの曲げ加工家具といえばトーネットだが実はもう一社ありそれがJacob and Josef Kohnである。これはそちらの入れ子テーブル。ウィーンで見つけて後生大事に運んできた。最近玄関に置いているのだが足が美しい。

December 1, 2016

借地権付きの古屋

IMG_3981dasigakuinseuzy.jpg
借地権付きの古屋をリノベして住みたいというのが目下の住環境に対する希望なのである。だいぶ前に近くでそういう畳屋を発見して不動産屋に聞いたらとある理由で売らないことになったと言われがっかりした。それから2年また発見した。これこれ、と思いながらも忙しくて観に行く暇がなかったのだが、今日大学行く前に不動産屋に寄ってみた。そうしたらあれ人気でね、安いし、高台で風通し良いからすぐ売れました。だそうだ、がっかり、やはり皆同じこと考えているのだろうか?

おめでとう

LERNER%20WORKSHOP%20-%20modulo%20movil%20-%207.jpg
フェデリコ・レルネルが数ヶ月前に理科大でレクチャして見せてくれた、みんなで作るイマージェンシーキューブ(一部震災の復興に使われた)がパンアメリカ建築ビエンナーレ イン キト2016のソーシャルアーキテクチャ部門で最優秀になった。たなんとも幸先がいい。これの継続ワークショップを来年3月にエクアドルでやることになっているのと、この研究をさらに進めるべく彼を理科大坂牛研のPDに現在申請中だから。申請了承されますように。first prize (social architecture category) at the Pan-American Architecture Biennial in Quito BAQ (Bienal Panamericana de Arquitectura de Quito 2016).