記憶の構築物
ロベルト・ブスネリは昨日付き、今日は都内の建築見学中。明日理科大で一般向けのレクチャーを行う。タイトルはMemory in the Construction of landscape and Architectureである。これはアルゼンチンが軍事政権時代に作られた強制収容所の一つを記念碑として建てもの丸ごと保存したプロジェクトについてである。このプロジェクトは国家的なコンペでロベルトとその親友でアルゼンチン建築博物館の館長だったエルナン・ビスマンが勝ち取った仕事である。
南米のほとんどの国はアメリカの裏工作で政府がアメリカ寄りに転覆されほとんどが軍事政権となった。そしてそれに反対する国民は強制収容所に送られ拷問を受け仲間を白状させ挙句に飛行機から海に捨てるということをしたそうである。アルゼンチンでは30000人がそうして行方不明となった。遺体がみつからないのであくまで行方不明なのである。
彼らのとったデザインは建物には一切触れずガラスと鉄をインスタレーションしながら空間とサインを作っていったのである。まさに過去の構築物が持つ記憶の継承なのである。
https://www.youtube.com/watch?v=iQVUJs1A3qY
僕は去年学生とこの建物を見てきたが明日は更にもう一つの記憶のプロジェクトを見せてくれるとのことである。楽しみである。公開レクチャーなので是非ご参加を。