古いOSは取り替えないと
朝、買い物を命じられたので開店の時間に伊勢丹に行く。しかし指示されたモノが今一つである。取り置きしておくので確認に来るようかみさんに電話をする。副都心線で乃木坂へ。ギャラ間でDavid Adjaye を見る。陳列物はパネルと小さな模型。簡素なものhttp://ofda.jp/column/。昼を採って四谷のジムへ。1時間くらい自転車こぐ。さっぱりした。屋外の木陰で読書。
穂村弘という歌人の書いた『絶叫委員会』(筑摩書房2010)を読みながら笑いをこらえる。著者がいたるところで集めてきた面白い(あっと言わせる)言葉とその解説が載っている。
例えば、宮沢りえとの婚約解消記者会見で貴乃花が言った破局の理由。
●「愛情がなくなりました」
「この言葉をきいたあとで、誰か何か云えるだろうか、、、婚約とか破棄とかいうのは社会的なきめごとに過ぎず、愛に手を触れることは誰にもできない。その全てを一瞬で照らし出したのだ、、、、」
●「何歳に見える?」
「たったひと言で、瞬時に無用な緊張感を作り出す言葉だ、、、、、」
●下北の路上でおばさんの声が響いた「日本人じゃないわ。だってキッスしてたのよ」
「私の心に様々な思いが一気に押し寄せる、、、、、彼女の言葉自体はそれほどおかしいわけではない。ただそれを載せているOSが古いのだ、、、、いまどきのOS上では『キッス』って単語、走らないよ。キスでしょ。キス、、、、、」
言葉っておもしろい。凡人は聞き過ごしてしまう言葉にも歌人は反応する。
これを読みながら先日の家族の会話を思い出した。
僕は東京の四谷に住んでおりたまに家族3人で外食する。駅のそばに「三谷」という鮓屋がある。高そうなので入ったことはないがその前はよく通る。先日その前を通った時娘が呟いた。
「ヨツヤだからってミツヤは無いよね!」うっ。
「三谷」はミタニと発音するものと思い込んでいた我々夫婦は理解するのに2秒かかった。そしてかみさんが「これはミタニでしょう?」と娘の理解との差を口にした時には話はすでに次の地点に移動していた。この処理能力の遅れはヴァージョンの低いOSのせい。取り変えないと新しいアプリが動かなくなる。