« ボサノバ | メイン | seven »

S先生

朝一で国博に行く。平日の午前中を狙って、混雑が噂される長谷川等伯を見に行ったhttp://ofda.jp/column/。しかし朝一にもかかわらず、外に行列。来訪者の多くを占める(であろう)年輩の方には平日も休日も無いわけだから平日の方がむしろ混むのかもしれない。午後事務所。夕刻高校の大先輩である計画学の大家S先生の通夜に向かう。先輩とは言え実は3度くらいしかお話したことはない。ただ、リーテム東京工場の芦原賞受賞をお祝いしてくれた時に、当時すでに80近かったにもかかわらず長老の中でただ一人、一緒に2次会にまで来てくれた。そして掘りごたつ居酒屋で僕の真前に座り言葉少ないが心温まるお話をしてくれた。その後建築選奨の授賞式など、何度かお会いする中で、何時も優しい言葉をかけてくれ、なんとなく心の励みになったものである。そんなわけで、特に親しいわけでもないのだが、弔いの気持ちになった。護国寺の会場は長蛇の列だった。やはり僕と同じようにこの方の温かさに呼ばれるのかなと思った。寒空の下待たされても苦ではなかった。僕の前や後ろに高校の大先輩の顔が見え隠れした。武信さんやら益子さんやら。護国寺を後にして東京駅でアサマに乗る。車中池内恵『イスラーム世界の論じ方』中央公論新社2008を読み始める。以前この著者による『書物の運命』を読みその冷静な語り口が記憶に残っていた。この本は様々なメディアに寄稿したものが多く分かりやすい文体となっているが前回同様クールな内容である。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/4557

コメントを投稿