ヴァン猫
先日西荻の古本屋で村上春樹の『雨天炎天』という本を買った。この古本屋は内の家に行くときはいつもちょっと覗く紀行本、旅行本だけを扱う本屋である。この本は1990年に出ているから25年あまり前の本である。二冊分冊になっていて一冊がturkey チャイと兵隊と羊—21日間トルコ一周、もう一冊がgreece アトス−神様のリアル・ワールドというタイトルが付いている。
オスマントルコ帝国の本を読んでいたので買ったのだが、やはり歴史本より紀行本の方がその場所の風土や人が鮮明になって楽しいものである。とりわけトルコの東アナトリアという東部のあまり日本人などはいかないあたりの話は面白い。トルコは5つの場所に分かれるというがその中でも著者が最も面白い場所だという地域である。そしてその東アナトリアにあるヴァン湖にはここ特有の猫がいてこの猫は左右の目の色が異なり加えて泳ぎが上手なのだそうだ。早速ネットで調べてみると日本ではターキッシュヴァンと呼ばれているのだそうだ。村上はこの猫に会いたくてホテルのレセプションニストに連れられて行った絨毯屋(そこの店で飼っていると言われて)で見事絨毯を買うはめになったそうだ。この地には絨毯屋がとりわけたくさんあり絨毯屋は必ずこのヴァン猫を招き猫のごとく飼っているのだそうだ。