中曽根
中曽根が首相だったのは僕が大学生のころ。30年以上前のことである。そんな人の話が今ころ中公新書『中曽根康弘 -「大統領的首相」の軌跡』2015になった。戦後の首相として取り上げられるに値する首相のひとりであることは間違いないだろう。その当時は知らなかったが、田中がロッキードで情勢不利になった時に宿敵中曽根は田中に(田中の秘書の佐藤に)便箋10枚を綴り辞任を迫っていた。しかしそれを読んだ秘書の佐藤はこれは田中に見せたところで拒否するだろうと言ってやはり便箋10枚に拒否の内容をしたためた。しかし驚くべきはこの書簡は封を開けたまま佐藤に渡されていた。拒否されることは予想されていたようである。政治の世界とはかくのごとき。