JASSO
日本の相対的貧困率(平均所得の半分に満たない人口の比率)は16.1%でOECD中悪い方から4番目だそうだ。絶対値にすると2000万人が貧困層である。ということをこの本(中川雅之『ニッポンの貧困—必要なのは慈善より投資』日経BP社2015)には書いてある。
その中に日本学生支援機構の遠藤理事長のインタビューがあるのだがこれがなかなか大学人としては身につまされる。
奨学金受給者は2.6人に1人年間の貸与額は1兆円を超えている。そして返済の延滞も問題になっている。理事長曰く、人数をしぼってでも返済を前提するのではなく給付にするべきであるという。教育費のGDP比率がOECD中下から2番目というこの国は大学での費用がかかり過ぎという理事長の認識は同感である。
返済の延滞を防止するために来年から大学名を公表するという。延滞イコール就職先が悪いという目で見られるので延滞者の多い大学は就職が悪いというレッテルを貼られるようなもの。延滞が最も少ないのはなんと高等専門学校なのだそうだ。着実なそして全体にいきとどいた教育をしているということなのだろう。分かる気がする。
ところで大学支援機構は英語でJapan Student Services Organizationというそうである。支援だからSupportでもよさそうなのだが創設当時の有識者の一人ドナルドキーンが我々はパブリックサーバント(公僕)であるという認識粉をこめて命名した結果だそうである。