新たなメディアは可能か?
トマ・ピケティの妻であるジュリア・ガジェの著した『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』山本知子+相川千尋訳 徳間書店2015はフランスで出版と同時に10誌以上でとりあげられ、10番組で著者インタビューされた注目の書だそうだ。しかし内容はいたって当たり前のことが書かれている。
世界の新聞は財閥に買収されもはや記事の中立性が担保されづらい状況にある。そして新聞広告収入が激減し、新聞はネットにとって代わられる。そこに新たなニュースメディアができるべきでそれは株式会社と財団の融合したような形をとり単独オウナーの言いなりにならない仕組みが必要だと主張する。
日本のジャーナリズムはフランスなどに比べれば巨大資本に買収されたりはしないものの、広告主と政府の言いなりになりもはやその中立性が瓦解している。そんな時に我々は我々のメディアをもつべきだとつくづく思うのである。そんな時この本は多くのヒントを与えてくれる。