肺結核小説は嫌いだけれどヴァレリーの言葉は好きである
親父が昨日から我が家で暮らしている。兄貴家族がオーストラリアに就職した甥っ子、つまりは自分たちの息子に会いに行ったので同居している親父はその間我々と暮らしている。たまに家族編成が変わると話題も変わって楽しい。
テレビで宮崎駿の「風立ちぬ」人気が報道されていた。親父が堀辰雄はいい作家だとしきりに言う。なんであんな肺結核小説がいいのだろうかと僕は思う。なんて僕は別に堀辰雄をじっくり読んだことなどない。ただそんな風に友達が言っていたのを聞いて(中学の頃だろうか)そう思っているに過ぎない。親父が言う「風立ちぬ、いざ生きめやも」。これはヴァレリーの有名な一句であるLe vent se leve, il faut tenter de vivre.肺結核小説は嫌いだけれどこの言葉は好きである。