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多木浩二の写真を使った新建築

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『多木浩二と建築』長島昭夫2013に収められた石堂さんの文章を読む。ここにはその昔新建築でのとある事件が書かれている。それは新建築が多木浩二の撮った篠原一男の写真を使った話である。
そもそも事件の発端は篠原の未完の家を取材に行った編集部がその作品にピンとこなかったことに端を発する。それまでの「白の家」に代表される伝統の読み替えから大きくスタイルを変えたことに編集部はいささか鈍感だったのだろう。
そこで篠原は二袋の未完の家の写真を持って編集部に登場。一袋は建築写真家の撮った写真。一袋は多木の撮った写真だそうだ。建築写真家の撮った写真は未完の家の新たな空間を鮮明にはできなかったが、多木のそれには一同理解を示した。多木は未完の家の良き理解者であり、読解者であり、解説者であることを理解した編集部は多木の写真を新建築に掲載したのだが、35ミリブレボケ写真を建築専門誌が採用したことに、写真部をはじめ、外部の写真家からもかなりの批判があったとのこと。
今でも写真部以外の写真はめったに使わない新建築。5月号の私の作品では懇願して、私の撮った写真を2枚使ってもらったが、、、

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