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限界集落論はメディアが作り上げた幻想?

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山下祐介『限界集落の真実―過疎の村は消えるか』ちくま新書2012を読む。限界集落論とは80年代末に登場した。その骨子は大野晃『山村環境社会序説』2005にまとめられているという。
それによれば、集落は3つに分類される。存続集落(55歳未満人口が半数を超え後継ぎが確保される)、準限界集落(55歳以上の人口が半数を超え近い将来後つぎが途絶える)、限界集落(65歳以上人口が半数を超え独居老人が多い)。そして集落は存続集落から限界集落に変容し消滅につながるというストーリーが限界集落論である。
これに対して著者はこのような経緯で消滅した集落は極めて少ないことを調べ上げる。集落消滅の原因は年齢増ではなく、様々な理由による引っ越し。高年齢の集落も楽しく健康的に生活しているところは多々あると報告し、限界集落論はメディアが作り上げた幻想だとする。
このての問題は難しい。人の生活かかっているし。はたから適当なこと言うことは憚られる。その場所に行ってその人たちと会わないことには机上で勝手なことを言ったり考えたりするわけにはいかない。

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