オーフス建築大学でのレクチャー、クリティーク
去年理科大からオーフス建築大学マスターコースに留学した太田寛君のコーディネートで、ここでのレクチャー、クリティークをすることなった。
デンマークにはオーフスとコペンハーゲン(ロイアルアカデミー)にしか建築を学べる大学はない。たった二つである。日本はと言うと150以上はある。人口比約24倍を考えても日本は多すぎかもしれない?ここでもアルゼンチン同様、マスターの学位がそのまま建築家の資格となる。それが理由かどうかはわからないが、とてもプラクティカルで実際にものを作る教育がなされている。工房の充実ぶりは日本のどんな美大もかなわないだろう(もちろん工学部の建築学科は論外である)。木工、金工、3Dプリンター、レーザーカッター、ウォーターカッター、などなど、聞いたことしかないような器具がすべてそろっているし、場所も十分広い。学生は電子キーでそれらを自由に使える(課金されるそうだが)。こんな大学がEU圏内なら学費無料というのが信じられない。でもこれが世界標準である。世界の大学行くたびに日本政府って何もしないのだなと思って結構へこむ。
●本を読みたくなる図書室
●左がアナス教授。バイキングである
お昼にアナス、カール両教授とランチをとってから、アナス教授が持っているスタジオ学生に対して、テクトニクスについてのレクチャー、ディスカッションを行う。彼らは既にインターンシップなどで働いた経験もあり、構造、ディテールに突っ込んだ質問をしてくる。そのあとアナス教授とハーバーを散歩。彼は家具デザイナーであり、彫刻家でもあり、もはやマルチな芸術家である。海岸沿いの乱開発を非難していた。日本に是非来たいと言っており、来た際には理科大でワークショプ、レクチャーなどをしてもらうことを約束した。
●二階席も満席。理解されているかどうは分からないけれど話しがいがある。
夕方全学年に公開のレクチャーを行う。500人ほど入る オーディトリアムがほぼ満席になった。連休明けのこんな時期に満席は珍しいし、この手のレクチャーは来ない時は閑古鳥が鳴くし、来てもつまらなければ皆帰ってしまうそうだ。日本人建築家は人気があるようだ。
●M1のプロジェクトコルビュジエ空間を応用するのがテーマ
夜は2年生、3年生、M1、M2のプロジェクトを一つずつ選んでクリティークとディスカッションを30分ずつ行う。日本の学生と比べるとプレゼンはデンマークの方が上手、考えていることは日本の方が少し上?まあ4つ見て何が言えるという感じではあるが。
>