石造の灯台
先日カメラマンの野口毅さんにお会いした。靖国通りの梵さんが設計したマンションに事務所を構えていらっしゃる。野口さんは日本中の灯台を撮り続けている。私が無知なだけかもしれないが、灯台はほとんどがコンクリートでできているのかと思いきや、そうでもない。そもそも灯台がつくられたのは明治以降の外圧によるもので、最初はその場所で採れる石やレンガで作られていたそうだ。そこにデザインのローカリティが求められていたのかどうかわからないが、西欧ではコンクリートが土木構造物に使われ始めたころにコンクリートが景観を破壊すると言う議論があり、ダムや橋をあえてその場所で採れる石で被覆したそうだ。そんな発想が日本にも流れ着いていたのか?単純にまだコンクリート技術が無かったのか?興味深い。
例えばこの灯台は豊後水道(大分沖)の無人島水ノ子島にある1903年にできた石造の灯台である。灯台の横に建っている建物は1904年に完成したレンガ造の宿舎である。
石の上に白黒で縞模様に塗装しているのは視認性を上げるためであり、かつ対候性を上げるためだそうだ。でもこんな風に塗ってしまったということはローカルな景観なんていう発想があったのではないのでしょうね???