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交渉とは相手を知ること

ドイツは戦後アルザスロレーヌ地方をフランスに譲渡した。長い紛争の歴史に幕を下ろす形となった。そんなドイツの政府関係者は日本が中国とつばぜり合いしているのが不思議でしょうがないらしい。力の強い方が譲歩するというのがドイツの一貫した考え方だそうだ。つまりドイツ人たちは日本が譲歩するべきだと考えているようである。元外務省の国際情報局長だった孫崎享『日本の国境問題―尖閣、竹島、北方領土』2011ちくま新書にはそんなことが書かれている。
領土を巡る議論はその証拠と言うようなものを本当に見たことが無いし、その証拠はきっと双方それなりに持っているだろうし、両方を並べて、冷静に見なければまったくその真偽は分からない。いや並べた挙句に結局判断不能かもしれない。
この本一冊読んでそこに出ている証拠を読んでもやはり分からない。そんな分からないことを分からないまま双方が双方の主張を繰り返すことは実にナンセンスである。そしてまた冷静な場が作れない状態で相手の主張の鼻っ柱を折るような行動や発言はただただ相手の感情を逆なでするだけである。
この本にも問題解決の最優先事項は相手の主張を知ることとある。先日読んだ交渉術の最優先事項と同じである。そんな基本を怠る政治って僕には理解不能である。

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