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非日本を生きる

室謙二の『非アメリカを生きる―<複数文化>の国で』岩波新書2012を読んでいたら『非ユダヤ的ユダヤ人』という本が紹介されていた。トロツキー、フロイト、マルクスなどなどユダヤ人の境界を超えたユダヤ人らしからぬ人も、ユダヤ人のアイデンティティを作っているという話のようである。
著者は日本人としてアメリカ人の市民権をもちユダヤ人であるアメリカ人と結婚してアメリカで生きながら自分を非アメリカと感じている。そしてアメリカにはそういう非アメリカが沢山あるという。
おそらく日本は世界の中ではそういう状況が少ない国の一つなのだと思う。僕は比較的非日本だなどと思っていても、それでもユダヤやアメリカの状況と比べればはるかにピュアに日本である。ではあるのだが、建築の作り方としては常に非日本でありたいなと思っているし、政治的にも文化的にも非日本であれればなと思っている。これは決してかみさんのやっている書道を否定することではないし、日本食を食べないということではない。自分の属するものをちょっと引いて見られるもう一人の自分を常に持っていたいということである。

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