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賞は欲しい!


水戸の現場は35度である。梅雨は明けたのだろうか?。建て方が始まった。棟持ち柱と隅柱以外は450ピッチに入るツーバイ材。まだ入っていない状態だとまるでベンチューリのフランクリコートのようである。
往復のスーパーひたちで小谷野敦『文学賞の光と影』青土社2012を読む。世の中にはこれほど文学の賞が作られてきたのかと溜息がでる。芥川賞、直木賞を頂点に賞はこれでもかと言うほどある。恐らくその半分は本を売らんがための話題づくりだと思われる。
前回の芥川賞の田中慎弥が「もらってやる」と毒づいただけで二十万部を超えて未だ売れているのを見ると、出版社が巧妙に仕組んだ(あるいは代理店が)芝居かと疑いたくもなる。それも賞があるからこそできることである。あんなイベントが無ければ確実に本はますます売れなくなるに違い無い。
建築も同じようなところがある。とにかくいろいろなところにいろいろな賞がある。書籍と違って建築は複製品ではないから賞をとったからと言って誰かがすぐに儲かるわけではないけれど、長期的に見ると、賞をとったゼネコンだって設計事務所だって利益につならないことは無い。だからこれでもかと言うほど賞に応募する。文学賞も著者曰くだぼはぜのように賞をとる輩がいるようだが、建築も同じである。
たまさか賞の審査をやっていると毎年毎年とにかく造ったものは何でも出す人はいるものだし、既に最高峰を極めた人でも、熱心に賞を応募し、取るために最大限の努力を惜しまない。かく言う私も出せるものがある時は出す。でも何でも出すと言うことは無い。

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