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利休もマルジェラもブリコラージュ

利休の2畳の茶室は秀吉の戦場での即席茶室に起源をもつ。だからありあわせの材料であり、粗っぽいし、狭い。というのが藤森『茶室学』での解説である。なるほどと思う。待庵では雨戸を壁に転用しているなんて知らなかった。そういう方法を藤森はブリコラージュと呼ぶ。
ブリコラージュとは、レヴィ=ストロースがアマゾン原住民の神話分析の結果ある部族のそれが他の部族の神話の一部を本来の意味や役割を無視して断片化して使用することを発見したことから考え付いたことで、人間が古い体系から新しい体系を生みだす方法として定義した概念である。
そうか利休がブリコラージュならマルタン・マルジェラもそれに近い。先日松田さんや入江さんと恵比寿で発見したマルジェラのショップは電気屋さんの古いビルの1階を使って中を真っ白く塗りたくり、天井引っ剥がして、汚い所はシーツのようなもので覆い隠してある。新品の雰囲気を消して寄せ集めて貼り合わせている風を装っている。お店がそうなら、売っているものも古着に絵の具こぼしちゃいましたといった風情である。
この「その辺にあるもの寄せ集めました」っていうのはポストバブルにしぶとくブームである。みんな大好きである。不景気的なのである。でもそんな建築400年前に利休がやっているのだ。

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コメント

先日、アパレル学校で同じような講義をしました。・・・プリコラージュという言葉を知っていれば、もっと解りやすく解説できましたね。
マルジェラの2011AWコレクション。
http://www.vogue.co.jp/collection/brand/Maison-Martin-Margiela/11aw-rtw
この服など、まさにプリコラージュ!背景の壁も、プリコラージュですよね。
http://www.vogue.co.jp/datas/collection/11aw-rtw/75c3452101d648024837bcb58c35c39899fd86b1.jpg

おおおなるほど

>>お店がそうなら、売っているものも古着に絵の具こぼしちゃいましたといった風情である。

マルジェラスタッフです。
どこにもそんな服ないと思うのですが・・・どのアイテムのことですか?

恐縮です、古着というのは間違いですね古靴と書くべきでした。

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