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チェンマイ大学の豊かさ


タイ国立チェンマイ大学建築学科ディーンのエカチャイ教授が理科大に来られ、今後の大学間交流についてお話をした。チェンマイ大学のパンフレットを頂くと東京の区二つ半ぐらいの広大なキャンパスに素敵な建築学部棟がある。アメリカ同様タイでは建築学科は独立した学部でありエンジニアリングは別部門である。学生数は一学年100人大学院生が50人。理科大とほぼ同じ規模で、先生は40名。一昨日理科大建築学科ファカルティの歓送迎会をしたけれど40名はいなかったと思う。
エカチャイ先生はタイの東大チュラーロンコーン大学を卒業し、アメリカのフロリダ大とハーバードのGSDを修了しイリノイ工科大学でPh D.を取得という超エリートである。どうも現在の東南アジア、中国のエリート大学の教授陣の多くが欧米で勉強している。先日来られた上海同済大学や東南大学の教授陣もそうである。日本の大学で勉強したという人は少ないと思う。
それには理由がある。ここ数十年日本のエリート大学はアジアの留学生を欧米の留学生に比べて無視してきたからなのである。僕が学生の頃篠原研に在籍していた留学生はエール、ハーバード、パリ、イリノイ工科大学、などなど欧米のエリート大学ばかりでアジアは0、そして今でも東工大はとんでもない量の留学生を受け入れているがそのほとんどは欧米人である。
一方例えばETH(スイス連邦工科大学)では数十年前から意図的に中国の留学生を受け入れてきたそうだ。いずれ先進国の仲間入りをする大国中国の学生を程度が低くても積極的に受け入れてきた。そして彼らは今では国家の枢軸たる教育機関、政府の要職に就き国を動かす存在となっているのである。
そんな彼らがいまさら留学生を日本に送り込むわけはない。中国のトップエリートは殆どン日本に勉強しに来ないのはそんな理由からである。そして恐らく東南アジアも同じなのではなかろうか。
今からでも遅くはない。せっかく来てくれたチェンマイ大学と交流しよう。おそらくただみたいな学費とただみたいな生活費で日本よりはるかに豊かな生活が送れるだろうこの場所に多くの可能性が眠っている。経済的理由で日本の大学院に行けない学生も1カ月必死にバイトすればチェンマイで1年は過ごせるはずである。アルゼンチン以上である。

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