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本を2冊頂いた

今日は本を2冊頂く。一冊は谷川渥先生より届く。『芸術をめぐる言葉』美術出版社2012。149人の芸術をめぐる言葉151項目。見開き2ページに1項目ずつである。その中で僕が最も気になったのはジャン=ジャック・ルソーの次の言葉「音楽において旋律が果たすものはまさに絵画においてデッサンが果たすものと同じである」この言葉には続きがある。それとこれを併せると要はこうだ。絵画で重要なのは輪郭線(デッサン)であり、色は不要。音楽で重要なのは旋律であり、音色は不要。とこうなる。そしてこれが建築に来ると建築で重要なのは形であり、素材は不要。とこうなったのがモダニズム建築なのである。
しかし音楽だってもはや旋律が無く純粋に音だけに拘ったものが存在する。絵だってそうである輪郭なくメデイウムだけに拘ったものがある。ポロックなんてその典型である。しかしどういうわけか建築ではなかなかそう言うものが現れない。形を消して素材だけが前景化する建築ってあってもいい?

もう一冊は新聞社の友達から頂く。あらたにす編『2030年の日本へ「新聞案内人」の提言』日本経済新聞出版社2012この本は朝日、日経、読売が08年から今年2月末まで4年間にわたって共同で運営したニュースサイト「あらたにす」の人気コラム「新聞案内人」の執筆陣の提言集である。26人の提言者の中に高校の一つ先輩がいた。早稲田大学教授の川本裕子さん。彼女の提言は極めて真っ当である。これからの世の中は公的支出の公正な分配のために「健全な議論」が必要である。そのためには正確な情報が不可欠であり、その主役はメディア。つまりこれからの20年ますますメディアの質向上が求められると言うのである。もっともだ。しかし正確性もさることながら、彼らは数多ある情報を取捨選択しているわけで、彼らに必要なのは選球眼なのではないかと感じている。
これを伝えないでこちらを伝えるその責任は大きい。

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