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山の手と下町の格差

先日丸善で新書を見ていて橋本健二『階級都市』ちくま新書2011に目が止まった。格差社会問題の都市構造版である。
都市の物理構造は日本に限らず階級構造を反映してきた。言われてみればそうである。
その典型が東京で言えば下町と山の手の格差。これも薄々分かっていたけれど数字になると恐ろしい。例えば現在理科大(建築)のある千代田区(山の手)と再来年引っ越す葛飾区(下町)を比較してみるとこうなる。
1人当たりの課税対象額は千代田区423.7万、葛飾区165.9万1人当たりの年間収入は千代田区423.4万、葛飾区は221.5万。ある程度の差があるとは思っていたけれど倍半分違うとは予想外。これには少々驚き。ちなみに千代田区は両方において23区で一番高く、葛飾区は両方において23区内で下から二番目である。
この格差を生んだ大きな要因は古くは関東大震災、二次大戦、そしてグローバリゼーションの波というのが著者の分析である。都市がさまざまな意味でホモジニアスである必要は無いけれど、社会問題化する閾値があるはず。何らかのコントロールが必要なことだと思う。

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