巨大蜘蛛現る
「気持ち悪!!」という声がコピー室から聞こえた。何事かと思ったら巨大な蜘蛛が現れたようだ。朝からアドレナリンが出る。眠気も吹き飛び大騒ぎ。蜘蛛が大嫌いな僕は見ることもできない。スタッフのT君がやっとのことで捕獲して事務所の外へ運び出す。こわごわ近寄りシャッターを押す。家の中にいる蜘蛛だからゴキブリなどを食べてくれるいい蜘蛛なのだとは思いつつそのグロテスクな体を見ていると寒気がする。そこへやってきた木島さんがこんなの阿蘇には沢山いると平然としている。スゴッ!!
栃木の現場の往復で富井雄太郎編『アーキテクチャーとクラウド』millegraph2010を読む。柄沢さんがでクラウド時代の空間体験を「概念的一望性」と「身体的局所性」が2重化されている状態と説明していた。
現代はグーグルアース、ストリートヴュー等であらかじめ行く場所の空間をヴァーチャルには一望していても、その場所にリアルに身体を置いて見ると想像を超えて様々な迂回が発生するということである。
ヴァーチャルな空間の平べったさがリアルな世界ではとてもでこぼこしていることに気づく。それは単に物理的、固定的環境だけではない。いざ行ってみるととんでもない人の量に圧倒されたり、とてつもない寒さに震えたり、鳥の大群に出会ったり、その時その場所のその人の実存的な空間が現れるものである。蜘蛛との出会いもそんなことの一つである。
クラウドが発達すればするほど人間は自らの実存をより強く意識するものである。