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無印とgeneric

『思想としての「無印良品」-時代と消費と日本と-』千倉書房2011によれば無印を作る時に当時の生活者意識の分析が行われたそうだ。80年の話しである。そこで出た4つの分析結果は①余分なものは買わない、②経済合理性へ、③自分なりの生活追求、④ものへのこだわりだそうだ。これを見ると、①②は無印に直結しそうだが、③④は一見繋がらない。自分なり、個性化ならもっと個性的なデザインの方がと思いやすいが当時の個性的とは持ち物ではなく生き方としての個性だったようだ。加えて特徴的なデザインは逆に大勢が持てば人と同じということになりその人の個性を否定することにもなりかねない。つまり持ち物は主張していないことを主張する必要があったわけである。
無印の潮流はコールハースのgeneric賛美とも根底でつながる時代の空気である。個性的であるのはあくまで人であってその周りのものは無個性であることが望ましいわけである。

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