雲海を持って帰る
吉岡徳仁のデザインが好きである。三宅一生のところでプロダクトや店舗をデザインしているくらいに思っていたのだが、去年ネイチャーセンス展で羽毛を風で吹き散らすインスタレーションを見た時に妙に共感した。表現方法はとてもストレートだし、なんの捻りもないのだが逆にそれが気持ち良かった。最近彼の書いた『みえないかたち』アクセス・パブリッシング2009を読んだらこの人の考えていることが僕もよく思うことであると分かった。
例えば飛行機に乗っていて窓から見える雲海を自宅に持って帰りたいと言う。自然の一部を切り取りとろうという発想である。僕もよくそう思うのだが建築屋はそこで終わってしまう。でも彼は実際にそんなことを感じさせるようなものを作ってしまう。凄いなあと思うし彼のテリトリーはそんなことを現実化する可能性を持っている。
しかしそんなあきらめを持たずに建築でもそんなことができないか?チャンスがあったらチャレンジしてみたい。