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すべての原発の耐震性能を開示せよ

研究室で夏休みのスケジュールを助手の田谷君と決めて行く。ワークショップ、トークイン、新宿のアートフェスタ、オーストラリアコンペ、卒論、卒計、盛り沢山。今夏の理科大は2週間半節電の為入校禁止なのでその間のゼミは大変だ。
病院で親父の様子を見る。トイレに杖をつきながら行けるようになっている。元気で結構。先日吉本隆明の『老いの幸福論』を買ってきたら(親父は吉本と同年)その内容に共鳴していた。人生意志が2割で運が8割だそうだ。運命は自分では決められないと達観していた。
親父が寝ている間「科学」編集部編『原発と震災―この国に建てる場所はあるのか』岩波書店2011を読んでいて目から鱗。原発の耐震性能は一般の3倍と言われる。一般の設計は「100ガルで損傷せず、400ガルで倒壊せず」なのだが、例えば柏崎刈羽では1号機の原子炉建屋底面では一次設計に相当する値が273ガルだったそうだ(確かに約3倍)。そして地震時の観測値は680ガルである。柏崎でこの値である。たしか東日本では1000ガルを観測したところもあったはずである。となるとこの3倍の想定値とはどれだけの意味があるのかと思わざるを得ない。しかし何よりもそうであるならば、現在稼働中の原発の耐震設計は一体想定値いくつなのか??浜岡は既に停止の方向にあるが、2005年に1000ガルに耐えられる補強工事に着手していたそうである(それが完成しているかどうかは知らないが)。福島は津波と言う想定外で破損したと片付けられているが、本当なのだろうか?実は地震だけでも致命的な打撃を受けていたのではないだろうか?それも福島の耐震性能を開示すれば明らかなことである。即刻すべての原発の耐震性能を開示すべきではなかろうか?そういうことを建築学会は指摘すべきである。建築の安全性を謳うなら今こそ言うべき時である。

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