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知恵袋入試を予言していた本に遭遇

高崎で学生と待ち合わせて上州富岡へ向かう。向かう電車の中で橋本元明『メディアと日本人―変わりゆく日常』岩波新書2011.3.18を読む。ネット利用の「マタイの法則」という聞きなれない言葉が目に入る。それはネット利用によって外向的な人は更に外向的に、内向的な人は更に内向的になるという調査結果のことである。富裕な人は更に富裕になるというマタイの言葉があてはまると言うことである。次にネット世代のメンタリティ分析に入るのだが、世代が4分類される。76年以前に生まれた人たちはデジタルイミグラント(移民)、76年から20年間はデジタルネィティブ、96年以降はネオ・デジタルネィティブと命名されている。僕はもちろんイミグラントで学生たちはネィティブ、娘はネオである。確かに娘のネットの使い方はもはや僕らのそれとはかけ離れている。アイポッドにお気に入りのユーチューブをダウンロードさせて友達と見せ合って喜んでいる。漫画を見る感覚で動画を見ている。最後にネットの未来を語る中で昨今のクラウドコンピューティング志向(自分の頭の中に知識をためないで必要な時に必要なサーバーに取りに行く)の高まりを前提に著者はこう述べる。「通常、大学入試でも持ち込みはできない。しかし、やがてネット接続が可能な条件下で、何を参照してもいいから、与えられた問題をいかに短時間に解決できるかと言うスキルが・・・・重要な学力判定の一つになる時代がくるに違いない」。この本が出版された時には既にそういうことが逸脱として現実のものとなっていたのは何とも皮肉である。

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