図式の強度
玉川さんと上野で待ち合わせ。古河まで快速ラビットに乗る。車中設計の考え方を延々と話し続ける。
今回の設計はとても図式的である。三ツ矢サイダーのような平面形の棟が二つとその矢の一本を切り落としたような平面形の棟が一つ。そして三角形の管理棟である。玉川さんはそれが学生の設計のようだと言う。僕もそう思う。学生が課題で出して来たらきっと幼稚なプランだと言うかもしれない。玉川さんはこの三ツ矢サイダーをもっと敷地になじませながら三ツ矢の方向を自由な角度にした方がいいと言う。つまりY字にしたり、T字にしたりと言う。僕もそう思う所もある。しかしこうした図式的な形の持つ強さもあるはずである。確かに三ツ矢サイダー1棟しか建てないのならきっとやらないだろう。原アークミュージアムのようである。シンボリック過ぎる。でもここでは4つの棟が関係し合っているのだから、これは雪の結晶がパラパラと舞い降りたようなものだと説明する。
なんとなく理解してもらったのだが、結晶は溶けて流れ出る部分もあるはずだと切り返してきた。まあそういうこともあるかもしれないとお茶を濁す。
しゃべり続け気が付いたら古河。午前中クライアントと施設長になる某大学の先生と打ち合わせ。細かな要望が続く。打ち合わせ後古河で蕎麦を食べて事務所に戻る。早速細かな要望に応えるべくスケッチ。なかなかいい案が思い浮かぶ。その後某施主と海沿いの新しい土地に何ができるかを電話で延々と話す。今すぐ動けないので敷地写真をメールしてもらい、こちらのイメージをメールで送り、メール電話会議である。ある程度イメージが伝わったので電話を切る。その後塩山の設計主旨を送ってほしいとの要望に10分でまとめて送る。お腹が減った。今日は帰る。