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居心地感

朝一で九段下の理科大に卒業研究の発表会を聞きに行く。トップは山名研。大高正人さんの図面を資料とした設計の変遷解明が多かった。続いて歴史の伊藤先生、環境心理などの直井先生、構法の真鍋先生で午前は終わり。昼間働いている学生が多いのにしっかりした内容、加えて論旨が明快で聞きやすかった。また当たり前だが卒論テーマは大学ごとに固定化されるもので(先生が入れ替わらない限り)、他大学の発表テーマは新鮮に響くものである。特に直井先生の指導する「視線到達度が居心地感に及ぼす影響研究」なんて僕の興味とぴったりあっているのでびっくりである。その直井先生が僕と入れ違いとは至極残念である。
午後事務所で打ち合わせ。昨日指示した模型がほぼできていた。ちょっと骸骨みたいになってしまったので修正案を考える。
帰宅後コリン・エラード(Ellard, C)渡会圭子訳『イマココ―渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学』早川書房(2009)2010を読む。本屋で立ち読みした時に確か「居心地感」という訳語が入っていたような気がしたので積読から引き抜いた。そうしたらやはりあった。第七章「家の中の空間」のなかで「家の居心地はイソビスタで決まる」という節があった。イソビスタとはある場所から家の中の見える領域を言う。それでとある家の中に被験者を連れてきて、特徴的なイソビスタを見せながら空間の性格づけや順位づけをさせたところ次のような結果になったという。
① 心地よい空間・・・・・複雑性と対称性の高い空間 例えばゴシック教会のような
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② 美しい空間 ・・・・・開放的で対称性の高い空間 例えばCSH22のような
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③ 面白い空間 ・・・・・開放的で複雑性の高い空間 例えば瞑想の森のような
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この研究のそれぞれの言葉の定義は分からないのでこの画像は僕の想像でしかないのだけれど。

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