吉本と篠原
朝ゼミ。今日の輪読本は鹿島茂の『吉本隆明1968』。吉本は正直言ってたくさん読んだけれど分からないことが山とある。そして吉本解説本も結構読んだ。でもどれもおぼろげだった。そうこうしているうちに既に最初に吉本を読んでから20年以上たち、数年前にこの本を読んだ。そして初めて吉本がぐっと分かるようになった。というわけで学生にもこれを読ませようと思った。今朝久しぶりにこの本読んでみて「ぐっと分かった」ことを思いだした。それは、吉本の偉さ(鹿島のことば使い)は言うことがぶれないということ。吉本は常に自らの腹の底から湧き出る声を時流に流されずに語れる人だということだ。何だそんなことかと思うかもしれない。でも「そんなこと」をずっと続けることがどれほど大変かはちょっと考えれば分かることである。篠原一男が生前対談の相手候補に吉本隆明を挙げたことがある。その理由をことさら聞かなかったが今にして思うと妙に納得する。自分と同じ血を吉本に嗅ぎ取っていたのである。
午後製図のエスキス。夕方大林設計部に行った研究室OBがリクルートにやってきた。今年のM1は2人留学し、留学している2人が未だ帰ってこないので残念ながら聞く人が少ない。夜のアサマで帰宅。