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マテウスやモウラの素材感

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ポルトガルと言えば白。というのはシザのイメージ?
いやシザ以外でも白い建物は多いしこのとてつもなく強い光の下では白は似合う。ご覧のマテウスの灯台博物館も白いアプローチである。実にきれい。なのだがこの白い部分はトイレやカフェやオフィスが入っていて肝心の博物館部分(奥の木の陰に見える箱に四角すいが乗ったような形)は全面タイル張り。このタイルは既存の灯台のタイルと同じものが使われている。実は昨日のシザの大屋根の壁部分もふんだんにタイルが使われている。タイルはアズレージョ(これは装飾タイルだが)と言ってポルトガルの名産品なのである。既存のまわりに小さなスケールで貼りついたこれらの建物は色と言い、形と言い見事である。マテウスも昨日みた新リスボン大学の大きなスケールだけではなく、こういうこじんまりしたスケールもとてもうまい。灯台博物館はリスボンから電車で30分のカスカイスという町にあるがこの地にはポルトガルを代表する画家ポウラ・レゴの美術館がある。設計はソウト・デ・モウラこの建物は最近エルクロに載っていた。モウラの最新作の一つ。赤っぽい何とも言えぬ色が特徴的だけれど、これはコンクリを染めたもの。小型枠のテクスチャにこの染色でかすれた感じが何とも言えぬ表情を作っている。よく分からないが、この建物はヴァナキュラーな要素を参照しているとのこと。この色や風合いもそうなのかもしれない。ポルトガル=白。これはコルビュジエジエ のごときものかと思っていた。気候だけが頼りの周りからはちょっと浮き出た建築なのかしらと少々疑っていたのだが、どうもそうではない。彼らにとって場所や歴史などは意識しなくても表出するようなものかもしれない。

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