長野市景観賞現地審査
朝一で研究室に寄って長野市役所へ。既に書類選考している長野市景観賞の現地審査。10人の審査員で10の建物を見て回る。幸か不幸か快晴。長野は涼しいと思っている方も多いがそれは軽井沢などの高地。長野市は盆地で昼は東京より暑いこともしばしば。10の建物はホール、事務所、住宅、道、神社、酒蔵、長屋門と長野っぽいモノも多い。去年は社会情勢で出品作が激減したが今年は持ち直した。二つの酒造所を見る。一つは既に酒造機能は無く倉庫と化した。朽ちかけた土蔵に漆喰を塗り直し、なんとか生きている。崩れ落ちそうで崩れない。昨晩レートショーでみたアリエッティの家のよう。下地の見える土の割れ目から小人が飛び出しそうなミステリアスな魅力。もう一つの酒造所は街道に面して営業している。一部はお店でもある。、こぎれいなファサード群は先程のものと比較すれば商業的で陳腐なものである。飯縄(長野オリンピックのモーグル会場のあったところ)で昼食。蕎麦が美味い。ここでは住宅を視察。家主とお話したら東京で事務所をしていた建築家だという。終の棲家としてここへ越して来たらしい。自分の最後の作品だと言っていた。大きな家に犬がいた。建築家やって老後をこんなに優雅に暮らせるのだろうかと審査員一同ため息が漏れた。3時半ころ市役所に戻る。4時から学内で打合せがあるので採点表を渡して大学に戻る。夕方のアサマで東京へ。車中佐々木護『警官の紋章』ハルキ文庫2010を読む。佐々木護の警察ものは内容が正確だとブンヤの友人に言われた。そう思って読むと警察って怖いところだとつくづく思う。この異常な仲間意識。仲間意識が強いというのは守るべき秘密が多いということの裏返しでもある。東京で3人の建築家と会う予定。さてどんな話になることやら。