« 八潮サウスゲートパーク | メイン | 坂本先生語る »

理論と感性の折り合い

q朝製図第三の講評会の発表者選び。終って教授会。なんと重い人事の話題。けりがつかず。また来週会議。午後から製図第三の講評会。ゲストは松岡聡。先ずは彼にショートレクチャーをしてもらう。これが結構、目から鱗。「平面に置ける曲線の使い方」というのがテーマ。さすが妹島事務所出身。そう言えば妹島さんの卒論はコルビュジエの曲線の使い方だったそうだ。松岡さんの曲線論はバロック建築の平面図まで登場した。こんな設計の技術論をレクチャーしてくれた人は彼が初めてである。驚いた。それを彼の実作に繋げて語ってくれた。極めてリアルである。前回のゲストは松田さん、その前は藤村さん。同世代なのにこれだけ考えていることが違うということが面白い。その後講評会。今日は意識的に発表者を多くしたので僕はコメントをかなり控え、松岡君に多くを語ってもらったのだが、語ることがとても的確。そして深い。終って各賞の選定をしたが、彼の評価と僕のそれは殆ど一緒だった。
夜は懇親会。松岡さんと話したことは、やはり感性と理論の折り合いのようなところである。彼は妹島時代の同僚である田村さんと共同しているが感性派の田村さんと理論派の松岡さんの微妙なバランスの上で作品を仕上げているようである。そのさじ加減が重要。今そうしたバランスの上でいろいろな事務所が仕事をしているというように思う。明日は坂本さんが来られるが、彼も理論派でありながらそれを嫌う。では研究室でどういう風に設計をしたのだろうか?理論が通じなければ苛立つだろうし、でも出てくる案が理論的だとこれも面白くないはずだ。これはジレンマである。僕もそうである。語る時は概念的だが、スケッチはそうあって欲しくない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/4740

コメントを投稿