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八潮サウスゲートパーク

午前中『池袋ウエストゲートパーク』を読み続ける。池袋は若いころ慣れ親しんだ場所なのに、この公園は見たことも入ったこともない。でもテレビでは何度も見た。あまりいいメージで報道されない。悪の巣窟のような感じである。でもそれって逆に言えば誰でも何時でも入れるということの裏返し。よく言えば自由、悪くいえば無法地帯。
午後八潮の公園設計ワークショップ。各大学が5大学で設計を進める方法論を持ち寄ろうと言うプレゼンを行った。各大学15分の持ち時間でそれぞれ少しずつ議論をして進めた。日工大は5つのゾーニングと各ゾーンに他のゾーンの飛び地があるというコンセプトでその実例を見せてくれた。茨城大は5大学のゾーニング方法を分析。それは5つに分けるのではなく更に微分してそれを自由に繋げるような方法論である。神奈川大は大きなコンセプト(山とか丘とか)とエレメントに分けた方法論。建築パビリオンを5つ作るところがみそ。信大は人々の人口密度や速度を風景にして、密度や速度を制御するランドスケープを提示。神戸大は複数での方法論を回避し、大きなコンセプト(いらっしゃいませ、お帰りなさい)を掲げそこから帰結する空間を提示。
さてこれらの発表から次へのステップを議論した。しかしこれはなかなか大変だ。変数が多すぎる。侃侃諤諤の議論となる。でもこれは結構本質的で面白い。僕は5大学の複数性を前提とするかどうかが重要と主張。曽我部は方法論の前に大きなあり方を議論すべき。小川君は大きなコンセプトとかあるべき機能を議論するのは可能性を限定することになるので得策ではないとする。寺内は今回の案の共有点をまとめそれを前提としなければ前へ進めないと主張。槻橋氏は全体を取りまとめながら5大学がコミットする方法論を前提とすることには反対のようである。と言うわけで方向性は出ない。結局これらの議論を踏まえ来週のWSに新たな提案を持ち寄ることになった。
これは難しい。先ず先生たちの議論の共通点をどこに置くかである。なんとなく総括すると皆が多くを受け入れ、可能性を発見する場所だと考えているように思える。敷地の半分はデザインするのをやめようなんて意見も出る始末。でもそれをやると池袋ウエストゲートパークになるんじゃないの?という不安もある。自由と無法は紙一重である。ある規制はいる。それをどういう形にするのかである。
学生の車に便乗させてもらい長野へ向かう。後部座席で来週に向けた議論を始めさせたのだが数分で言葉が途切れた??まあよく考えてくれ。
ところで明後日21日は信大に坂本一成氏をお呼びし、1時から講演会3時から4年生の製図の講評会である。ゲストには京都から松岡聡氏も来られる。なかなか豪華な会となる。長野の建築家も4名。なんと発表者と講評者が同じくらいいるよ。すごいね。長野近辺にいらっしゃる方は是非ご来場ください。http://www.ofda.jp/lab/practice/2010drawing5/lecture_dai5_2010.html

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