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「けらば」の出

朝から豪雨。午前中某建物の補修工事の件で防水業者と電話で押し問答。防水保証の10年の前に亀裂が生じているので早急に現地視察して処置するように言う。けれどもなかなか気持ちよく動かない。やっと日程調整しクライアントに伝える。午後は5月のプロジェクトスケジュールを入念に作る。現説、見積もり、など細かな締め切りが波打つように迫ってくる。こういう緊張感も久しぶり。今年は本格的にGWが無い。その後明日の甲府遠征のための打合せ。その途中で淡路島の屋根瓦屋さんが来る。現状の設計を見ながら細かにアドバイスをもらう。特にけらばの機能性とデザインについて。僕らはけらばと壁面を面一で納めようと考えていた。同様のディテールを参考にしようと思い、新建築を見ていたら類似事例にこの淡路島の瓦が使われていた。そこでお呼びしていろいろ納まりの原理を聞いていたのだが、「屋根は軒でもけらばでも少なくとも300くらいは出さないと壁が落ちる」と言うのだ。「ではこれは大丈夫だったのですか?」と類似事例の写真を見せる。「うーん大丈夫かなあ?設計者がけらばの出を無くしたいと言っていたからこうなっているけれど」と言う。T工務店が施工しているのだから安心と思いきやそうでもないわけだ。「でも長野でも古い土蔵などけらばは殆ど出てませんよ」と反論するのだが、「ああいうけらばの出の無いしっくい壁は落ちます」とあっさり言う。ここまで言われると方針変更。けらばの出し方を議論していたら夜になった。もう一つのプロジェクトの建具表とにらめっこ。なんとも建具表だけで5枚ある。この建物いかに室が多いかである。展開図は25枚、建具表は5枚。簡略化する必要は無いのが見やすくしないと間違える。

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