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谷川徹三

事務所に行くと谷川徹三の『縄文的原型と弥生的原型』岩波書店1971が届いていた。早速題名となっている論考を読んでみた。縄文的原型を動的、男性的、弥生的原型を静的、女性的と形容している。そしてこの二軸を日本文化の基本と捉えている。また縄文的なものが輝かしく現れたのは平安初期、桃山と言う。その原因を異国文明との衝突に見ている。これは梅原の考えとは異質で梅原は縄文を日本土着のものと捉え、王朝文化を弥生、武家文化を縄文の再現と見ている。
まだ分からぬことは多々あるが、いずれにしても日本ではかなり性格の異なる二つの造形が交互に登場してきたことは間違いない。こうした造形の循環運動のようなものは、しかし、日本的と言うわけでもないだろう。ヨーロッパの造形にしても、動的なものと静的なものが交互に登場してきていると言えぬこともない。これはむしろ人間が何かを表現する時におそらく必然的なことなのではないか?表現とは多かれ少なかれある頂点を極めた後は差異を求めるものである。となれば対比的な何かに振れるのは当たり前のことと思われる。
午後は住宅のスケッチを続ける。ちょっと面白い断面形にたどり着いた。これはコンペの案にも使えないだろうか?

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