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M.J.

久しぶりに日曜日の長野である。朝方はいい天気だったが午後からだんだんと強風が吹き、雨がちらつき嵐の様相である。研究室で雑用。『西洋音楽史』を読み終える。この本は稲葉振一郎の『社会学入門』の参考文献に出ていたもの。彼の芸術史のとらえ方に共通するものがあるそうだ。特にモダニズム理解について。稲葉氏の芸術モダニズム理解とは何を描くかからどう描くかを自覚した時代だというものだったが、音楽でいえば何を表現するかから、どう演奏するかを自覚したのがモダニズムだということになる。そしてその嚆矢はこの本では(というかこの本でなくとも)『音楽美』(1854)を著したハンスリックということになっている。彼は、音楽は形式であり内容ではないと主張してワーグナーと対立したのだそうだ。引き続き、稲葉さんのお勧めだった戸田山和久氏の『科学哲学の冒険』が面白かったのでそれに関連する戸田山和久『知識の哲学』産業図書2002を読み始めた。認識論について論理学の基礎のようなところから丁寧に書いてある。物を知るとは何かということを徹底的に書いてあって眠くなるのだが、読み進めるとなかなか面白い。夜、嵐の中、長野シネコンにマイケルジャクソンを見に行く。11月の半ばまでの限定上映だそうだ。クラシックでもリハ風景というのは面白いものだが、これも最後のロンドン公演のためのメーキング過程をまとめたもので頗る興味ぶかい。内容については編集や脚色はあるだろうから、一体何が真実かは良く分からないが(さっき読んだ認識論が頭にこびりついている?)彼の声に痺れるその感性は真実である(と言ってもこの声が本物かどうかも良く分からないのだが)。特にI can`t stop loving youのエンディングの声の表情は涙もの。昨日クラシック史をyou tubeで聞いていて、ハイドンのトランペットコンチェルトはなんともおおらかなやさしい響きを感じて鳥肌が立ったが、ちょっと近い。MJの声とトランペットじゃもちろん違うのだが、、、、

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