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スピバック的

午前中甲府で打ち合わせ。政権交代の影響が見え隠れする。役所側の対応が鈍くなっているようである。それとは別にクライアントの検討依頼は尽きない。これだけ可能性を考えられるクライアントも珍しい。昼を一緒にとりクライアントは大学の講義に、スタッフのOさんは東京へ、私は小諸へ向かう。甲府から小諸は小淵沢乗り換えで小海線が最短だし運賃も安いのだが、いやすっかり乗り過ごしてしまった。松本回りで篠ノ井から「しなの鉄道」に乗る。車中スピヴァック(Spivak, G.C.)鈴木聡 他 訳『文化としての他者』紀伊国屋書店(1987)2000を読む。電車の中で片手間に読めるような本でもないので面白そうな数編と訳者あとがきを読む。「(スピヴァック)にできることといえばただ、あらゆる超越的、普遍的な理念から等しく距離をとることだけ・・・・・マルクス主義、フェミニズム、脱構築主義、ニュー・ヒストリシズム、サバルタン・スタディーズ、といった方法論や学問的規律に関しても、スピヴァックはそのいずれかに与することはしない」という言葉がこの面倒くさい本の内容に何となく筋道を与えてくれる。ポスコロの教科書と言われる本書だが、最近僕は外国に行き異文化に触れるとこういう気持ちに素直になれる。日本というメジャーであり辺境でもある島の文化を超越的にわが身に内在させるのだけはやめようと思うようになってきた。というより自然にそう考えるようになった。まあそれは日本国内でもそうである。小諸で夜から某プロジェクトのプレゼン。終わって助教のHさんの車で大学に戻る。学生と八潮の打ち合わせ。しち面倒臭い出張書類を入力していたら1時になった。

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