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持続可能な社会

広井良典『持続可能な福祉社会』ちくま新書2006を読んだ。先日同著者の『グローバル定常型社会』が面白かったので買っておいたもの。内容は共通するところが多く、日本の目指すべき社会として,二つ挙げる。一つは成長を抑制し、その分の時間をコミュニティ、自然維持などに費やす社会。二つ目はフローが再配分され、スタートラインの平等(教育)及び人生後半の社会保障としての基礎収入が確保された社会である。
こういう姿の国としては理想的には北欧、フィンランドのような国が思い浮かぶ。しかしフィンランドはNokiaの圧倒的な外貨獲得力に負っていると前著には書いてあった。巨大優良企業が無いことを前提とした自給型定常型社会をイメージするならもう少し違う国がお手本として必要かもしれない。
アルゼンチンはだめだろうか?教育のスタートラインを平等にするために教育費は0。仕事は6時ころには終え、自然を楽しむ。まあ実は技術革新に乗り遅れ、農業だけやっていたがために、無意識的に非成長型社会になってしまったのだであり、税金は21%。教育費は0でもその他の福祉が上手くいっているとは聞かない。エコロジーとは程遠い黒煙をまき散らすバス。ゴミの分別などまだ先の先。その他にも無防備に入り込む不法入国者によるスラム街。貧富の差。などなど。それらの社会問題はとても日本の比ではないと向こうの国の人は言う。そうかもしれない。しかし定常型を目指し地産地消的な国を目指すなら、見習うところも多々あるように思う。

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