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DC出発

アメリカも変わった。ダレス空港の入国審査に並ぶ長蛇の列には東欧、ロシアの人間が多くなった。やっと入った空港ターミナルもすごい人。まるで日本のターミナル駅さながら。新宿か?飲食店はすべて満員。床で寝る奴もいれば座り込んでコンピュータのノート開く奴もいる。特にコンセント周りは人気である。天井にぶら下がるモニターからはさまざまなインフォメーションが英語とスペイン語で流れている。ヒスパニックの多いLAなら普通だが、(映画館ではスペイン語吹き替え英語字幕なんてのさえあったくらいである)ここは首都である。ちょっと驚きだ。確かに聞き耳をたてるとスペイン語と思しき音がここかしこに聞こえる。空いた椅子をやっと見つけてコーヒー片手にノートを開くとattの無線を傍受。6ドルで2時間のネット接続。けちだねえ!!成田でnttがこんなサービスしたら不満の声が上がるに決まっている。それはnttが公社だったから。アメリカは昔から電話は民間だから文句が出にくい。バッテリーの電池が残っている間にメールを片付ける。後期にレクチャーをお願いしている、ダンサーの北村明子さんから時期と内容についての返事が届く。モロッコマラケシュからである、モロッコのメールをアメリカで開けるのだから世界は近い。ブエノスアイレスからはオープニングセレモニーが14日に決まったとの知らせ。ついに10日遅れたわけである。なんともアルゼンチンらしい。しかしこのいい加減さがあればこそヴェーバーのような神経症を生まないのである。因みにアルゼンチンは言うまでもなくカソリックが多い。日程を遅らせた罪は懺悔して許される。カルヴィニズムのもとでこんなことをしたら担当者は怠慢の謗りを受けて死ぬまでその罪から解放されない。
夜10時のuaに乗る。東京からの便もそうなのだが今回も乗務員が皆さん大きい。僕より高さ方向に1.3倍、横方向に1.2倍。重さにして下手すると2倍。これはあきらかに意図的な採用と思われる。あの重いカートを軽く動かしている。みんな半そでで二の腕の太さは僕の2倍。この飛行機は冷蔵庫のように寒く熱容量の小さなアジア人は全身ブランケットで体を包みそれでも寒いのに、彼女らはまったく平気そうである。時差と寒さでとても眠れない。もう途中であきらめて、マックス・ウェーバー中山元訳『職業としての政治』日系BP社2009を読み始める。いや実に簡明で分かりやすい。

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