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ワシントンDC到着

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朝、半分しか終わってないパッキングを終わらせる。10日の旅にしてはカバンが小さい。昔のボスがバッゲージ待ちを嫌ったので機内持ち込みサイズのカバンしかない。本や雑誌、電気機器のアダプターなどが多く、小さいカバンだが20kgぐらいありそうだ。転がらないかばんは老体にはこたえる。
出発寸前に展覧会のフライヤーがメールされてきた。最初の一番大きな文字antipodasの意味は「地球の裏側」である。なかなか強烈なタイトルである。やはり我々の建築はかの地ではまったく異なる何かに映るのだろうか??
11時に家を出て、東京駅のデパートで「地球の裏側」へのお土産を買う。鮫小紋の絹のふろしき、手拭いに包んだお香、などなど。午後4時のUAでワシントンDCに向かう。ブエノスアイレスへの直行便はもちろん無い。機中マックス・ウェーバーを読み続ける。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が生まれる経緯は、彼自身がプロテスタンティズムの勤勉合理性に浸かり、それゆえにまったく余裕の無い生活に追われ、精神の病にかかったことが発端である。それを勤勉なるプロテスタントである母親が揶揄したことが追い打ちをかけた。そこから這い上がるために勤勉なる北の世界から抜け出しイタリアでの療養によって恢復し、そこから執筆が始まった。なるほどだからこそこの書は近代合理主義賛美ではなく批判として読まねばならないわけである。なんか身につまされる。自分もプロテスタンティズム的だった。よく精神の病にかからなかったものだ。それは宗教的プレッシャーが無かったからだろうか?ひと眠りしてワシントンDCの上空。最近見なれた中国の風景とは異なり、緑の中に曲線の街路に立ち並ぶ家並み。その昔マリオットホテルの本社に打ち合わせにきたことを思い出す。トランスファーのラウンジはあのサーリネンの建物ではなく掘立小屋である。入国に1時間半待たされた。いつもこんなに混んでいるのと聞くとこの時間は特にそうだと言う。いやはや混むときは人を増やせと言いたくなる。並ばないアジアのハビトゥスも嫌いだが、並んで待っても文句を言わないアメリカのそれも嫌いである。

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