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R25

R25というフリーペーパーが世の中に登場した時は結構話題になった。とは言って実は中身をあまり読んだことがない。鞄が重くなるのがいやなのともらっても読まずに捨てたら申し訳ないと思ったからである。しかしどうしてこんなものをタダで配ることができるのか不思議ではあった。そうしたら最近『R25のつくりかた』という新書(日経プレミアシリーズ2009)を目にした。著者は編集長である藤井大輔さん。彼は1973年生まれ、2004年の創刊時には32歳と若い。しかし、R25はM1層と呼ばれる20歳から34歳までの新聞読まない、本買わない、テレビも見ないと言われる(あくまで言われる)層の男を対象としたフリーペーパーだからその層に含まれる年代の人が編集をするのは道理かもしれない。
普通、雑誌とはあるターゲットを決めて売るからせいぜい売れても7~8万部だそうだ。それに対してR25は50万部はけるのだからちょっと驚異的。もちろんただだからということはあるのだが、それでも街頭ティッシュだって選挙ビラだって欲しくなければ貰わないわけで、これは興味を持たれているということである。
さてそうなるとその内容が気になる。これまで「ゼクシイ」や「ダ・ヴィンチ」を作っていた藤井さんは200人以上のM1層にインタビューし回ったところ彼らは活字が嫌いなのではなく、読みたいけれど分からないのだということを知ったという。分からないというのはつまり新聞で使われている用語が辞書を引かないと分からないというようなことだそうだ。そこでこのフリーペーパーは速報性を捨てて、新聞読をむための基礎知識のようなものをさりげなく織り込むことにしたという。加えてブックレビューも新刊ではなく、M1が欲しい知識を与える本をじっくり選んで提示するバイヤーのような役目を担っていると言う。もちろんそれだけではなくスポーツ、IT、新製品などのM1好みのネタも入っているがそれはおまけ。そしてピアのようなエンタメ情報はむしろ入れないそうだ。
ところでなんでただで配れるのか?もちろん広告費があるからである。50万読者層があるとそれなりの広告がとれると思うのは素人。フリーペーパーというものがまだあまり信頼されていない日本では結構大変なのだそうだ。

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